【張り子作家・アート大福さん】絵本のように可愛く不思議な世界。まったくの未経験から独学で作家活動をスタート。「私にもできる!」と思ってほしい
2024.02.20
仕事・働き方
2021.03.11
立正大学心理学部名誉教授
齊藤 勇
対人心理学者、文学博士1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、立正大学名誉教授、日本ビジネス心理学会会長。 対人・社会心理学、特に人間関係の心理学、中でも対人感情の心理、自己呈示の心理などを研究 。TV番組「それいけ!ココロジー」に出演し監修者を務めるなど、心理学ブームの火つけ役となった。『人間関係の心理学』『やる気になる・させる心理学』など、編・著書・監修多数。
ダイエットして5キロ痩せよう目標を立てたけど途中で挫折したり、資格を取ろうと目標を立てたのに結局勉強もしなかった・・・。など、やる気が持続しなくて目標未達で終わったという経験をされている方は少なくないと思います。
夢や目標を達成させるための方法や理論は数多くありますが、アメリカの作家で成功哲学の提唱者、ナポレオン・ヒルは、著書「思考は現実化する」(邦訳)の中で、あらゆる成功へのスタート地点は「願望」であり、「結果」を強くイメージすることで夢は実現されると述べています。
「思考は現実化する」田中孝顕 (監修), ナポレオン・ヒル財団アジア/太平洋本部 (編)
ナポレオン・ヒルの思想は自己啓発本の原点の一つともいわれており、世界中でも有名ですね。しかし、夢や目標が達成された自分を強くイメージするだけでは、やる気も持続しませんし、実現しないで途中であきらめてしまうこともありますよね?ポジティブシンキングが必ずしも目標を達成させることだとはいいきれないのです。
それを裏付ける面白い事例があります。アメリカの心理学者ガブリエル・エッティンゲンは、「ダイエットとポジティブシンキングの関係性」を調べるために次のような実験をしました。
肥満ぎみの女性たちの全体の半数の女性に「完全にダイエットに成功した状態」をイメージしてもらい、残り半数には「つい食べ過ぎてしまう自分」を思い描いてもらいました。
そして、1年後に再調査したところ、よりポジティブに自分をイメージした女性は、ネガティブに考えていた女性たちよりも減量できた体重が10キロほど下回る結果になったのです。
ただ夢見るばかりだと目標の達成前にそれがご褒美になり、その実現が阻害されるということにもつながるのです。だからといって、夢を見ること、目標達成後の自分を思い描くことが悪いことなのではありません。
エッティンゲンは、やる気を持続させ、目標を達成するためには4つのステップが必要だと述べています。ここでは、エッティンゲンが心理学的な研究と実証を積み重ねて導き出した目標達成する方法の一つ、「WOOP(ウップ)の法則」をご紹介します。
「WOOP」とは、次の4つの頭文字をとったものです。この法則は、仕事や勉強、人間関係、運動、ダイット、健康など、ありとあらゆる目標に適用できる法則です。
W=Wish(願望)
O=Outcome(結果)
O=Obstacle(障害)
P=Plan(計画)
一つ目のステップ「Wish(願い)」
自分がかなえたい夢や目標を決めて、書き出します。
【例】
・ダイエットして5キロ痩せる
・半年以内に資格を取る
・定期テストで5科目80点以上を取る
二つ目のステップ「Outcome(結果)」
願いに関して自分が望む成果を具体的に思い描きましょう。
【例】
・5キロ痩せる
→ 履けなくなっていたジーンズがはけるようになる
・資格を取る
→ 昇給する、ステップアップできる
・定期テスト
→ 自分の目指す高校に入れる
三つ目のステップ「O=Obstacle(障害)」
夢や目標を達成させることを困難にしている原因について考えて、書き出します。障害は具体的になればなるほど良いです。考え方や感情に対する障害、行動の障害、思い込みの障害、時間や対人関係といった視点からも、障害となる事柄をおもいつくまま書き出してみてください。
【例】
・5キロ痩せる
→ 帰宅後疲れて運動したくない、疲れると甘いものが我慢できない
・資格を取る
→ 勉強する時間がない
・定期テスト
→ 暗記ものが覚えられない、夕食後眠くなる
障害を解消する方法として、自分だけの力では難しいことがあれば、誰かの力を借りたら解決できるものなのか?という視点でも考えてみてください。「○○さんに相談してみる」というのも、障害を取り除くための一つです。
四つ目のステップ「Plan(計画)」
三つ目に挙げた「障害」にぶつかったときに、それをどうしたら克服もしくは回避することができるかの計画を立てます。その障害に対して自分がどうしたら解決できるか?を考えてください。
【例】
・5キロ痩せたいが疲れて運動したくない、甘いものが我慢できない
→ 帰宅後とりあえずジャージに着替える、1週間に一つは食べていいルールにする
・資格の勉強したいが、勉強する時間がない
→ 通勤時間を使って勉強する、土日のどちらかは勉強日にする
・テストで80点以上とりたいが、暗記ものが覚えられない、夕食後眠くなる
→ 覚えられないところにマーカーをして、翌日またやってみる、夕食を食べたら風呂に入る
WOOPの法則の一番の特徴は、できない理由や目標達成を困難にさせる要因を具体的に書き出し、その障害を取り除くための対策を「はじめのうちに」立ててしまうことです。
障害を解消できるプラン(計画)がしっかりできれば、「やればできる」と思えるので、夢や目標を実現するための具体的な行動につながりますし、頑張り続ける意欲を奮い起こさせてくれますよ。
さらに、障害を書き出すことは、最後までやり遂げるか、目標の水準を下げるか、それとも見切りをつけるかということを判断する上での決め手にもなります。無理だと思ったら思い切ってやめてしまうのも選択の一つです。
これは一見ネガティブな行為にも思いますが、達成不可能だと自分の中で納得できれば、たとえ夢を断念することになったとしても、後悔が少なく済むように手助けしてくれますし、実現可能な新しい目標を見つけることにもつながります。何かに挑戦しようと思ったときに、ぜひ、この方法を試してみてください!
参考
「成功するにはポジティブ思考を捨てなさい―願望を実行計画に変えるWOOPの法則」 エッティンゲン,ガブリエル【著】〈Oettingen, Gabriele>/大田 直子【訳】
\ 最新情報が届きます! /
あわせてよみたい
齊藤勇先生の「やる気にさせる心理学」
行動することでやる気は出てくる
やる気への行動プロセス
「本番に弱い人」にはこんなアプローチが効果的!
個性によってやる気の出させ方が変わる(達成欲求と失敗回避欲求)
4つのタイプを理解して、部下に「もっと成長したい」と思わせるマネジメント方法
やる気の違いは目標設定の違いにある! 「目標」が持てない部下に、自律的な行動を促すマネジメント
目標達成できない二つの要因を知って、部下のやる気をマネジメント!
自己効力感を高めるための4つのアプローチ方法
仕事が面白いと感じさせるフロー体験
テレワークの時代だからこそ、部下のやる気を育てる上司の7つの心得
「できないこと」を書き出すことが目標達成の近道
どうにもネガティブに考える自分を変える方法
やる気を継続している人が持っている、ある3つの感情とは?
人間関係の中の自分はどんなタイプ?自己分析してみよう
【相談】齊藤勇先生の「人間関係の心理学」
【第1回】職場でイジられキャラから脱出できなくてやる気失せるんです
【第2回】問題は夫や息子ではなくアナタ!(ご主人編)
【第3回】問題は夫や息子ではなくアナタ!(息子編)
【第4回】恋愛と仕事どっちが大事?アラサー女子が悩む大問題
【第5回】相談されやすい人がもつスキルとは?
【第6回】職場の人間関係がリセットされたらなんだかうまくいかない
【第7回】仕事のお願いが断れない私
【第8回】人にイライラしてしまう私
【第9回】ネガティブな彼女への正しい接し方は?
【第10回】自己中心的な同僚の対応に悩む私
【第11回】苦手な先輩との仕事のやり方で悩む私
【第12回】キャリアアップすべき?部署でまとめ役を求められるワーママ
【第13回】中高生の子どもと向き合うための親の持つべき心得
【第14回】やる気がありすぎる!とにかく一番が大好きな娘
【第15回】怖がりの息子が将来独立できるか心配
【第16回】これってモラハラ発言!?夫よ、私は言葉の暴力に傷ついている
【第17回】人に頼ってばかりの私
【第18回】高齢になった父との関係をよりよくするには
新着コンテンツ
この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。