新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
生活・趣味
2019.10.28
“生まれ変わり”を体験できるという「無戸室浅間(むつむろせんげん)神社」は、富士山の麓にある小さな神社でした。
一見すると一般的な神社と特に変わりはないようですが、社殿に入ってみるとびっくり。地面にぽっかりと開いた、まるで異空間の入り口のような穴が筆者を待ち受けていました。
「船津胎内樹型」と呼ばれるこの洞穴は、平安時代に富士山から流れ出た溶岩流によって形作られたものだそうで、地学的に貴重な資料として世界文化遺産「富士山」の構成資産に登録されています。
江戸時代の始め頃に浅間大神が祀られ、その後大勢の富士講信者たちが富士登山の際に訪れるようになったとのことで、社殿には江戸時代当時の様子を描いた錦絵が飾ってありました。
なんでも、この洞穴が人の胎内を想起させるような形をしているため、洞穴めぐりをすることで「父と母の胎内」に帰り、再び地上に戻ることによって“生まれ変わり”を実現できるのだとか。江戸時代の富士講信者は、前日にこの胎内で“生まれ変わり”をし、身を清めてから富士山に登拝するのが決まりになっていたともいわれています。
「母の胎内」部は約20m、「父の胎内」部は同じく約15mの長さの樹型の先端にあり、細い樹型や空洞をあわせた総延長は約70mです。現在も、敷地内にある河口湖フィールドセンターで拝観料(大人:200円/小中生:100円)を払うと、どなたでも見学することが可能です。
ヘルメットに雨具をつけて、準備は万端。さっそく生まれ変わりのたびに出かけましょう。
洞穴に入ると、そこには大きな空洞が広がっていました。
この部屋は「肋骨(あばら)」と呼ばれており、壁面や天井から突き出した突起物が、その名の通り人間の骨や内臓のように見えます。怪しくも美しい、とても見所のあるスポットです。
ここからはだんだんと通路が狭くなっていき、ますます人体の奥底に入り込んでいくよう。足を進めて行くと、母の胎内へと伸びる細長い産道に行きあたりました。
この穴は幅が非常に狭くなっており、進めば進むほど身を縮めなければなりません。この日降っていた大雨の影響もあり、洞穴には水が止めどもなく流れています。
泥だらけになって道を進んでいると、産まれてくる大変さを改めて実感することができました。(次の日は筋肉痛で歩けませんでした。)
20mといえど身をかがめながら歩いていると非常に長く感じるもので、最奥部の母の胎内(子宮)に行き着いたときには既に息が荒くなっていました。
ついに到達した「母の胎内」は小さな部屋状の空間で、そこには先ほど見た江戸時代の錦絵と変わらない光景が広がっていました。内部は人が5人ほど入れる大きさがあり、神社の祭神である「木花開耶姫(このはなさくやひめ)」の石像が祀られていました。
「無戸室(むつむろ)」の名は、『古事記』に記載されている木花開耶姫が出産した場所に由来します。そのため、「無戸室浅間神社」は生まれ変わりだけではなく、子授けや安産の御利益もあるとされています。
この地には、「母の胎内」部の溶岩から滴るしずくを持ち帰ると、妊婦に良いという風習が江戸時代から伝わっています。現在でも、「しずくの御利益を授かった」という声が神社に届けられることもあるのだそうです。
「父の胎内」部を通って洞穴の間を上っていくと、ようやく出口が見えました。
洞穴を出ると、外の世界の明るさを一段と感じ、とても清々しい気持ちになりました。洞穴内が薄暗かったせいもあるかもしれませんが、不思議と入る前よりも視野が広がったような気がします。「これが生まれ変わりの体験なんだ」と、その効果を実感することができました。
これから出産を考えている皆さん、富士山に登ろうと考えている皆さん、新しい自分に生まれ変わりたい皆さん、まずは無戸室浅間神社にお参りしてみてはいかがでしょうか。
▽MAP
\ ライターをフォローしよう! /
あわせて読みたい
新着コンテンツ
この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
Follow @kotakatsube