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町口 その後、相方さんの家庭の事情もあってコンビを解散。
それからハウスメーカーの営業に転身されましたが……これは「好き」で?
殿村 ……。
町口 聞いておいて何ですけど、これは。
殿村 「好きじゃない」からのスタートですね。
町口 さすがにそうですよね。まるで違う世界ですから…。
殿村 でもですね、「やると決めたからには好きになろう」と思ったんです。すると色々と、芸人時代とは違ったモチベーションが見えてきました。
例えば、グラフです。営業成績の。
町口 ああ、あれですね。
営業のオフィスに貼られてるよくドラマで見るやつ!
殿村 競争相手がいるってのは燃えますよね! 僕は正直、お金とかはそっちのけでグラフばっかり追いかけてた気がします。これはこれで、結果を出すことを楽しむという気持ちになってきたんです。
町口 今度は「好き」を事後的に見つけたわけですね。
町口 営業といえば、やはりトーク力があってナンボの世界です。
お笑い芸人としての経験があり、いまや笑伝塾塾長である殿村さんともなれば、やはり最初からすごいご活躍を?
殿村 そない売れませんでしたわ!
(`・ω・´)b
町口 はぁ!? ( ゚Д゚;)
殿村 しかも当時の職場、コミッション性(歩合制) の高いコースを選んだので、基本給だけではとても食べていけないので、 売れなきゃ アウトって感じでしたね 。
町口 うわぁ…マジですか…。
殿村 最初のうちはね、僕もカチンコチンやったんですよ。
やっぱり一般社会は、芸人の世界とは違うわけだから、真面目にしよう、ていねいにしようって、「笑い」を封印しながら、営業してました。
で、全然いい成績が出せませんでした。
町口 どこが転機になったのですか?
殿村 しばらくしてからですね。このままじゃやばいと思って、トップ営業マンと呼ばれる先輩についてかせていただいたんです。
そしたらその 先輩はですね、パンフレットを出さない。雑談ですね 。かしこまることなくお客さんを笑かしたり。転じて、お客さんの真剣なお話はピシッと傾聴して。礼儀正しいながらも崩せる場面では崩せる、メリハリのある、ほんま魅力的な方でした。
町口 礼儀正しいながらも、崩せる場面では崩せる、素敵ですね 。
殿村 改めて思ったんです。 「笑いのあるコミュニケーションって大事やな~」って。芸人じゃなくても、ビジネスでも。
町口 なるほど…。
確かに、お客さんだってマジメな人相手だとつい構えちゃいます。魅力的というか、人間味のある人に自分の相談事とか、本音とか話したいと思うものですから。特に家なんてバカ高い買い物にもなれば。
殿村 お客さんをリラックスさせるために“笑いのスキルを使う” 。
そんな感じやったら、お笑いやってた僕もいけると思った。そこが僕のスイッチ。お笑いの経験を生かした自分なりの営業をしていくことに決めたんです。
そしたら成績がグイグイ上がって。気づいたら、見習っていた先輩がたをごぼう抜き。自分がトップ営業マンになったんです。その会社辞めるまでずっとトップ を維持できました 。
町口 好きなこと、つまり「笑い」が次につながったんですね。
殿村 そうですね。ここが大事なんです。僕が営業の仕事でブレイクできたのは、いままでやってきた「笑い」があったから。何か沸騰するくらいとことんやりこんだことは、たとえそれで大成できなくても、次の人生に活かせると僕は思うんです。
町口 沸騰するまで…
殿村 そう。逆に言うと、若いうちにそのくらい好きなことがあるっちゅうのは、すごく幸せなことやと思う。なら、沸騰するまでやるべきやと思いますね。