新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
生活・趣味
2019.09.13
家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。
今回のゲストは、 この4月から働きはじめたばかりのフレッシュな新入社員さんです。
サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。
ウマさん
今回の相談者。 この4月から働きはじめたばかりのフレッシュな新入社員さん。さわやかなイケメンで、新人研修では人事部からの評価も高いとのこと。こぶたが勝手にライバル視している。
こぶた
やる気ラボスタッフ。今回のゲストがイケメンの若い新人さんということもあって、嫉妬心で黒豚となる。
わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。ひさしぶりにゴルフの練習をしたら1時間も体が持たず、早々に練習場から撤収。「運動後のビールはおいしい♪」と運動した気になるのも早い。
こんにちは。こぶたです。
なんでも、今日はイケメンが来るらしいですね。
なんですか。なんなんですか。ホントは悩みなんてないんじゃないですか。あいつら何でも「ただしイケメンに限る」で済ませる種族じゃないですか。今日もう終わりでいいんじゃないですか。
イケメンだからこその悩みがあるんだよ。こぶたには一生わからない悩みかと思って、今日はキミも同席させてあげたよ。
ほんと、カッコイイね。きみ。
い、いえ。そんなことないです。今日は相談に乗っていただいてありがとうございます。
めっちゃ輝いてるんですけどこの人。
ウマくんは、普段いろんな人から相談されるんですって。この春から塾の先生になるんだよ。お客様は年配の保護者さんがほとんど。自分よりも年齢が上の方からの相談を受けるケースも増えるわけで。
相談者への向き合い方について悩んでるんですよね?
あ、はい。僕は人から悩みを相談された時に、言葉に詰まってもどかしい思いをすることがあります。
もっとうまく対応するにはどのようにしたらよいでしょうか?
具体的にはどのようなシチュエーションでしょうか?
ご友人ですか?それとも後輩の方ですか?
友人からが多い気がします。
それは信頼されている証拠ですね。
一通り悩みは聞くんですが、「どうしたらいいかな?」と聞かれてもパッと答えられず、返答に困ってしまうのです。
なるほど。相談されると男性というのは、つい答えを出さないといけないと思ってしまいます。そうしないとおさまりが悪い気がしてしまうのでしょうね。
しかし、むしろ“ありがた迷惑”の場合もあるのですよ。
えっ!?
女性との会話を思い出してください。「AとBどっちがいいと思う?」なんて聞かれた時、答えは大体決まっているのです。あとはあなたに後押しして欲しいだけ。
前回でもお話させていただきましたが、狩猟時代の男性はどうやって狩りを成功させるかという相談をする訳です。つまり作戦会議ですね。
一方の女性は、木の実を採ったり子育てをしたりしていました。そういった生活の中では意思疎通をはかるための会話というものが欠かせません。
現代でも、男性が目的を達成するための手段として相談するのに対して、女性は気持ちや感情を表現することに重視するというように、男女間で求めているものが違うわけです。
なるほど。
では、男性同士では解決策を求めた話し合いばかりなのかというと、必ずしもそういう訳ではないのが難しいところです。
逆に反感を買ってしまうこともあるということですか?
そうですね。“解決してあげる”ということは自分の方が優位な立場になりますよね。自然と上から目線の回答になることもあるので、そうなってしまうと質問した男性は自分が聞いておきながら「うるさいなぁ」とか思ってしまう訳です。(笑)
男性同士は難しいんですねぇ。
そう、難しいんです。
ウマさんは、実際に相談を受ける内容はどういったものが多いのですか?
学生時代になってしまうのですが、恋愛相談などが多いですね。そういう時に聞き役に徹してしまって、うまいことを言えないなぁと…
自分の意見を言うと、「余計なことを言って」となりますから。むしろそんな対応が歓迎されているんですよ。盛り上がりには欠けるのかもしれませんが、聞き役の方が良いのです。
男女の違いはありますが、いずれにしろ、ウマさんが求められているのは「同意」「共感」です。
例えば職場で嫌な上司がいる…と相談を受けた場合に「じゃあやっつけた方がいいよ!」 なんて言うわけにはいきませんよね(笑)
つい言ってしまいたくなるものですけどね。
「そんなことあったんだ!どうしたらいいんだろうね…難しいよね。」と同意をすることが大切なのです。相槌はそんな時にとても効果的ですね。
そして、もう一つ重要なのは共感することです。「本当に困っちゃうよね。」と相手と同じ立場になって共感するのです。さらに、相手を褒めることができたら上級者ですね。
でもそれができる男性は少ないですよね。男性はすぐに解決したがるから…。
何も特別なオリジナルの言葉を使おうとしなくても、「よく我慢しているね!」とか、「頑張っているね!」とか、そういった誉め方で十分いいのです。
なるほど。
実は最良の解決策は相手の心の中にあります。こちらが自分なりに良い考えだと思っても、その人の立場がわかっているわけではありませんので、誤ったアドバイスをしてしまう場合だってあるでしょう。
確かに…。(汗)
うまくいけばよいのですが、もしもうまくいかなかったら「あの時あの人に言われたから…」とトラブルの元にもなりかねません。ですから、相談されたら同意し、共感を深めることに力を入れてみてください。
はい。なんだかやれそうです。
逆にどういったことをすると関係性を悪化させてしまいますか?
相手の自尊心を傷つけてしまうことが最もNGです。
話を途中でさえぎって、自分の主張を押し付けてしまうとかでしょうか?
そうですね。何か有益なアドバイスをしようと思うと、肩の力が入って「それは違う、本当は…」なんて持論を展開してしまいかねません。それでは相手は反感を持つだけです。自分の気持ちを説明しているのに何も理解してくれない人だ…と不快になってしまうのですよ。
なにかしらアドバイスのひと言でもしてあげたほうがいいのかと思っていました。
相談されているのに答えを示せないのはおかしいと思われるかもしれませんが、勉強とは違います。答えない方が正解なのです。それどもアドバイスしたくなったときは、上から目線の発言や、相手を排除するような言動、ダメ出しをするといった行為をしてないかどうか十分気をつけると良いでしょう。
わかりました。
強いアドバイスは、仮にアドバイスが受け入れられたとしても関係性が悪化して、今後の相談にはつながらないというケースもありますからね。
はい。気を付けます!
先生、では、しっかりと話を聞いた上でこれだけはアドバイスをしたいという場合はどのようにしたらよいでしょうか?
心理学用語で、“ラポール(rapport)”という言葉があります。フランス語で「橋をかける」という意味で、相手と自分の間に「信頼関係」という架け橋がかかった状態です。
どんなに良いアドバイスでも、相手に受け入れてもらえなければ仕方がありません。 先ずは相手に信頼してもらうためのベース作りですね。
ベースですか。
はい。その時に「うまい回答ができるかな?」なんて構えないこと。そういった緊張感を相手は敏感に察知するのでリラックスしていることが肝心です。
そして、決して相手の話を否定せず「イエス」を言い続け、同意と共感を出し、その先に「こんな考え方もありますよ。」と、ここでやっとアドバイスをする…ということです。長い道のりなのです。
「相手が言いたいこと、本当に思っていることをじっくりと引き出す」そして、「共感する」ですね?
なるほど!今後の参考にさせて頂きます。
本日はありがとうございました。
人から相談された時にとるベストな対応
①人から相談された時、すぐに解決策を提案しようとしない。
②最良の解決策は相手の心の中ある。相談者には「同意」「共感」する。
③ 相談者にアドバイスをしてあげたいときには、同意と共感で信頼関係が構築された上で伝える。
【第6回】人間関係の心理学は、転職や異動をしたときの、新しい人間関係の作り方について、お悩みの女性がゲストとして登場します。お楽しみに。
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この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。