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子育て・教育
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“人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う、お悩み相談。前回に引き続き、いつも何事にも全力投球なワーキングマザー、りすさんのお悩みについて、齊藤先生にお聞きしました。
今回は、保育園に通う息子さんについてのお悩みです。
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サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。
りすさん
今回の相談者。二人の未就学児を持つお子さんを持つ女性。どんなことにも全力投球する性格ゆえに、仕事も家事も育児も、旦那のお世話にもスイッチの切りどころがイマイチわからずにいる。元気過ぎてすぐにお腹が減る。前回、齋藤先生にアドバイスいただいた旦那様への対応方法を実践中。
こぶた
やる気ラボスタッフ。サイトウ先生の相談者の最初の生贄として差し出されたが、先生に「モテキャラ」と言われたと勘違いしている様子。最近ますますわん子にいじられ、必死に抵抗するも、毎回玉砕。逆イジリの機会をうかがっているが、きっと無理。(こぶたの相談はVol.1をみてね)
わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。高校生の娘にちょくちょくやる気に悩まされているワーキングマザー。やる気ラボの同僚である、こぶたをいじるのが会社でのストレス発散方法。今夏劇場公開の「おっさんずラブ」を観ることにモチベーションをあげている。
(前回のお話を聞いて)
いや~、りすさん。「人を変えるより自分を変えよ」。サイトウ先生はイイこといいますね~。
ずっと、主人をどう変えるか?変えることはできないのか?ということばかり考えていたので、「はっ!」っとさせられました。
……。こぶたはそのヌケたとこ、もうちょっと直したほうがいいよ。アンタの子どもが泣くよ?
安心してください!今日はちゃんと靴下からズボンの裾、だしてますよ!
※注※こぶたのおまぬけエピソードは「人間関係の心理学#1」をお読みください
りすさん、保育園に通う息子さんへの接し方についてのお悩みでしたよね?どんな悩みがあるんですか?
はい。 とにかく取り掛かるのが遅くて、「これやりなさい」って言ってもすぐにやらない。5分で終わることが20分、30分と掛かるんです。
それは結構かかりますね。朝とか大変ですよね。
そうなんです!
保育園でお散歩の準備をするときも、帽子かぶって、靴下履いて、靴を履いて…というのは子どもたちが自分でやるのですが、うちの子がいつも最後でみんなを待たせているんです。
先生も困っていて、「おうちでもなんとかしてください」と言われている状況で。給食も最後なんですが、来年は小学校にもあがるし…。
どういう声がけをすれば早くやれるようになるのでしょうか?
そういうタイプなんです(きっぱり)。
え?
一番の人もいれば最下位の人もいるんです。10人いれば、誰かが1番、誰かが10番なんです。みんなが1番にはならないんです。
みんなが1番にはならない…。確かにそうです、よね…。
お子さんは「10番の子」なんです。
それは、NEWな考え方ですね!
サッカー選手なら背番号「10」ってうれしいけど…
え、でも、 1番の子は入れ替わったりもしますが、うちの子は毎回最後なんです。
かけっこと同じで一番早い子はいつも一番だし、一番遅い子はいつも遅いんです。それはそういう子なんです。それを1番にさせようというのは、お母さん側の問題ですよね?
1番にさせようとは思っていないんですが…、せめて真ん中とか、最後にならないようにしなさいって言ってるんですけど…。
いいじゃないですか、最後で。ダメですか?
今の状態だと「最後はダメだ」って本人に言っているような感じですよね
それは子どもに言われました。「なぜ最後じゃダメなの?」って。
マイペースの子は大器晩成しますから。
私がせっかちなので、子どもにも「こっちを終わらせてから遊びなさい」って言います。テレビ見ながら遊んでいると、ついつい「全部終わらせてからテレビ見ればいいじゃない」って言っちゃいます…。
お母さんに抵抗しているんですよ。
5歳にしてすでに反抗期…。やばいっすよ~、ねぇ、わん子さん!
中高生の反抗期に比べたらカワイイもんでしょ?うちの子ときたら、もう、「首絞めたろか!」と思うことが何回も何回も何回も…。
聞いてくださいよ、この前だって先生…
お、落ち着いて! 今はわん子さんの相談乗ってるんじゃないんですから。でも、5歳でも反抗期ってあるんですね。
お母さんをこじらせているんですよ。お母さんの愛情が欲しいということです。
そう言われると、なんとなくわかります。
お母さんをこじらせているんですよ。お母さんの愛情が欲しいということです。でも、りすさんはせっかちなお母さんのようですから、なんでも「早く、早く」「1番、1番」って急かせるわけですよね?
私の中では9時までに寝かせるという目標があって、必ず9時にはベッドに入れるようにしているんです。
そういう強引なスケジュールを、お母さんが立てているんですね。りすさんのご家庭はお母さんが権力者なんですね。
権力者ですか…。(汗)
お母さんは子どものためと思うかもしれませんが、会社でいえば社長と同じですよね。家の中では全ての権限がお母さんにあって、ご主人やお子さんにはないんです。
社長ですか…。(汗々)
ご主人が何か言おうものなら、「そんなことないわよ」となりますから。考えてもみてください、9時に寝かせなきゃいけない根拠など何もないですよね。
睡眠時間が短くなるので…。
毎日じゃないでしょ?睡眠時間は人によってすごく違いますので、多少1時間や2時間違っても大丈夫です。
私は9時に寝かせようと思って歯磨きも終わらせて…というところで、9時15分前に主人が帰って来て、「おやつ買ってきたぞ~!」って子どもに持って行くんですね。
私は「ダメ!」って言いますが、主人は「いいじゃん、ちょっとぐらい」って…。
お母さんとしてはやることもたくさんあり、お子さんを早く寝かせたいという気持ちはわかります。毎日のことですから。
はい…。
なのに、ご主人は子どもを喜ばせたいからと勝手にお菓子を買って来てしまうわけですから、りすさんからしたら「私のことも考えてよ」となりますよね。
しかし、お子さんの側からしてみてください。
そうなんですよね。だからいつも、「何でダメなの?」って子どもに聞かれるんです。
何でダメなの?
きみが言うな。
お母さんが考え方を変えて「最後じゃダメ」と言わなくなると、気がついたら1番じゃなくても5番ぐらいになっているかもしれませんよ。
もう「急ぎなさい」とか言わない、ということですよね?
いきなり言わないというのは難しいと思うので、少しずつ、少しずつ抑えるようにしていけばいいんじゃないでしょうか。
1番の人もいれば10番になる人もいるわけですから、最下位だからといってどうってこともないんです。
そういう風に考えたことはありませんでした…。「ビリはダメ」という考え方が、私のどこかにあるんでしょうね…(反省)。
いい成績で、いい学校で、できたらかけっこも一番で、全部一番でいたという思いが、りすさんの子どもの頃からの理想だったのだと思います。
それが自分ではなかなかできなかったから子どもに押し付けてしまう…。
ついつい自分の子どもには、望みが高くなっちゃうよね。
顔よし、頭よし、性格よし、スポーツできる子になってくれたらって、どの親にもありますよ。
こぶたの子どもは…。
奥さんに似るといいね
ただ、保育園の先生に苦情を言われてしまうのは、ちょっと困りますよね…。
そこはやはり徐々にそういう方向に仕向けていくしかないですね。お母さんが働いているご家庭の場合、どうしてもお子さんは接触時間を持ちたいと思います。一方、お母さんは「早く、早く」と急かすことが多くなります。
ですので、子どもとしてはどうすればお母さんと接触ができるのか、子どもなりに考えるのです。そこがポイントです。
そうやって気を引こうとしているんですね?
その通りです。こぶたさんわかってますね。
子どもからしたら、気を引くことで接触しているんです。コンタクトしているんです。そうすればお母さんがなんやかんやいって絶対に構ってくれる。子どもはお母さんとの触れ合いが欲しいんですから。
わたしが怒ってもですか?
「怒り」というコミュニケーションもあるんですよ。
私はすごく怒っているのに、本人はヘラヘラしているんです。
(ボソリ)誰かさんと一緒だな。
ん?何か言いました?
怒るというのは本気のコミュニケーションです。お母さんは真剣ですよね。
しかし、お子さんからしたらお母さんが怒っているときというのは、他の人のことはかまわないで自分のことだけをかまってくれるわけですから、本気のコミュニケーションは成立しているわけです。
どんどん口出ししていくのも本気のコミュニケーションだということですね…。でも怒ってばかりだと疲れてしまうので、怒らない方法はありますか?
「10番でもいいんだ」と思えるようになれば、だんだんと怒らなくなりますよ。怒る必要がないんですから。
でも、怒らなくなって何も言わなくなると、それはそれで子どもが気を引こうとするのでは?
逆に早くやるようになるかもしれませんよ。
そうしたら褒めてあげる(笑)。
そうかぁ…。早くできたら褒めてあげれば、子どもも怒られるより褒められるほうがいいなと思うようになりますよね。
「早くできたよー」って言ってきたら褒めてあげればいいんですね。
そうですね。りすさんもそのほうが嬉しいでしょう。
主人のことも息子のことも、問題は私にあったということがわかり、視点が変わってスッキリしました。先生、本当にありがとうございました。
わん子のひとりごと。
家族のコミュニケーションって、小さい感謝を忘れがちだなぁと改めて考えちゃった。喜んであげる作戦で、ご主人が元気になってくれたらいいな。
しかし、りすさんの性格から「早く」って言葉を飲み込むのって大変かも(笑)。
【第4回】人間関係の心理学は、仕事と恋愛の両立に悩むアラサー女子がゲストとして登場します。お楽しみに。
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この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。