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生活・趣味
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「140字小説」を日々SNSに投稿する作家・神田澪さん。Twitterのフォロワーは14万人を超え、人気作は17万「いいね」を獲得するなど、感情を揺さぶる作風が若者を中心に多くの共感を集めています※。
※【関連記事】神田澪「140字の物語」の裏側にあった苦悩と歓喜
そんな彼女の待望の初書籍が、2021年1月21日、KADOKAWAより出版されます。
『最後は会ってさよならをしよう』。タイトルは、代表作の一文からつけられました。
同作は、遠距離恋愛のカップルが、切なくもどこかさわやかなエンドを迎えるという物語です。個性あふれるこの作品の末文を冠した表題からも、本書に凝縮された神田ワールドの一端がうかがえることでしょう。
収録されている「140字の物語」は、全部で135作。これまでTwitterで発表してきた1,100超の作品のうちから厳選し、加筆修正した130作に、書籍化に際して書き下ろした5作を加えました。
Twitterで人気を博したあの作品から、懐かしい作品、がらりと生まれ変わった作品までずらり。140字小説家として名を上げてきた神田澪さんの、まさに集大成ともいえる一冊です。
しかし、書籍発表までの道のりは決して平たんなものではなかったと、神田澪さん。以前、企画が流れてしまい、書籍化に至らなかったという苦い経験も。「一つひとつを立ち止まって読むという形」の140字小説は流れるように読めないという点もあり、「書籍化は難しいのではないか」と感じることもありました。
また、書籍化にあたり、加筆修正にも苦労しました。「何か変えようと思うと、それに併せて文字数を合わせなければいけないという問題点があって、そこがかなり大変でした。他の形式の小説だったら単純に変更すればいいだけだけど、140字の物語は一人称を変えるだけでも他でバランスをとらないといけないんです」と、ならではの苦悩も吐露します。
それでも、あえて140字小説という形式にこだわり続ける理由。それは、そこに新たな気づきがあるからだといいます。
「私にとって、140字という文字数がちょうどいいんです。縛りがあるからこそ、いつもの自分からは出てこなかった表現が自然に生まれてくることがあるので、そこにはすごく面白みを感じています」。――制約から生まれる表現。余白に託す想い。それが、140字小説の醍醐味なのです。
「なるべくテーマがかたよらないように物語を配置することで、様々な異なる感情が芽生えるようにしました」。単発のTwitterとは違い、物語の並び順に心を配ることで当初の問題点を解決。読みやすく自然な流れを生みだしました。
さらに、神田作品初の中編を掲載し、飽きのこない構成を実現しました。これまで、140字小説では語られなかった登場人物の感情を緻密かつ丁寧に盛り込み、より人間の内面性にフォーカスした作品に。神田さんが「初めて固有名詞をつけた」と話す登場人物も見どころの1つです。
その他、実体験に元づくエッセイに加え、神田さん自らリクエストしたという、イラストレーター・須山奈津希さんによるセンチメンタルな気分誘う挿絵の数々など、見ごたえが十分。
「エッセイやイラストからは作者が見ている世界、こういう見方をするからこういう作品ができるんだということを感じていただけるのではないでしょうか」と、納得のできに仕上がりました。
この本を開けば、Twitterでは見られなかった彼女の新たな一面に出会えるに違いありません。
140字小説の投稿を続けて4年。「初めはまったく人気がなくて、まさか書籍化とは夢にも思いませんでした」という神田澪さんですが、続けていく中でやる気と自信をつかんできました。
初の書籍刊行に加え、アイドルグループ・真っ白なキャンバスへの小説提供も行う彼女。最近は、「連作」にも挑戦しています。
「140字の物語がこんなにも広くつながっていくとは。読者のみなさんにも、ぜひその感覚を味わってもらいたいです」と、新境地にも自信をのぞかせます。
今後もSNS投稿という形は続けながらも、140字小説以外のジャンルへのチャレンジにも意欲的。「色々なコラボレーションもそうだし、長編やリレー小説など、今までやったことのなかった新しいことに挑戦してみたい気持ちは大きいです」。
夢とやる気は広がるばかりです。
しかし、その根底にあるのは、やはり「140字の物語」。投稿を始めたきっかけは「本が苦手な人でも読めるものを書きたい」という思いでした。信念は、有名になった今でも変わりません。
「『最後は会ってさよならをしよう』は、今まで私の作品を読んでくださったファンの皆さんはもちろん、今まで一度も140字の物語を読んだことがなかった人たちにも、本を読むこと自体から遠ざかっていた人たちにも楽しんでいただけるものになっています。苦手意識がある人でもスッと読めてしまうので、ぜひ手に取っていただけると嬉しいです」。最後にそう、熱く話してくれました。
どのページから開いても、色の違う宝石が見つかる『最後は会ってさよならをしよう』。そんな、宝箱のような書籍を手に取って、お気に入りの140字を探してみてはいかがでしょうか。きっと、明日への活力になることでしょう。
発売は来週、1月21日です。
神田澪『最後は会ってさよならをしよう』の発売と記事公開を記念して、Twitterにて抽選で5名様に『最後は会ってさよならをしよう』の書籍1冊をプレゼントいたします。
応募受付は終了いたしました
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この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
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