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時間を忘れて夢中になれる“フロー現象”。何をすることでフローになれるかは人によって異なる。
フロー状態になれる瞬間を捜してみよう。特に思い当たるものがない――というなら、まずはプログラミングがオススメ!
ソフトウェアの力を通じて人の“やる気”を引き出す研究に携わっている、坂本一憲先生の連載です。
急速に情報化が進展する現代社会において、私たちはいかに「プログラミング」「ゲーミフィケーション」といったものと良い関係性を作り上げていけば良いのでしょうか? ソフトウェアと心の関係性に迫ります。
ソフトウェアと心の関係
#1 私がプログラミングで“やる気”になれる理由
#2 やる気の出し方、私たちがゲームから学べること
#3 「子どもにご褒美」はOK?NG?5つのチェックポイント
#4 ご褒美よりも有効な「罰」を有効活用するには?
#5 (後日掲載予定)
#6 (後日掲載予定)
みなさんはじめまして、坂本一憲と申します。
私は研究者・教育者・起業家として、勉強や運動を続けられるように支援するソフトウェアを開発しています。私はソフトウェアが人間の良きパートナーになり、人のやる気を引き出せるようになると信じています。そんな私から、本連載ではソフトウェアと心の関係についてお話ししていきます。
今回は、私の大好きなプログラミングを例に挙げながら、フローという心理現象についてご紹介します。
フローとは、心理学者であるミハイ・チクセントミハイが提唱した考え方です。フローとは、完全に没頭しており、時間の経過や自我の感覚を失っている心理状態を指します。フローの経験者が、フローを「流れ(Flow)の中にいるような感覚」と表現したことから、フローと名付けられました。
チクセントミハイはフローをポジティブな心理状態と考え、様々な研究者とともに40年以上研究を続けてきました。彼らの研究結果から、フローを経験することで、幸福感・満足感・自己コントロール感・内発的動機づけなどを高められることが分かっており、メンタルヘルスの改善に役立つことが示唆されています。
それでは、どうすればフローを経験できるのでしょうか? チクセントミハイはフローの条件をいくつか説明しています。そのうちの3つが、次の内容です。
条件1) ハッキリとしたゴールがあり、すぐにフィードバックが得られること
条件2) 自分のスキルに見合った難しさがあること
条件3) 行動そのものが目的となっていること(例:行動自体が楽しいからやる)
上図は条件2の詳細を説明する図です。
フローの経験には、自身のスキルのレベルがある程度高く、さらに、スキルに見合った難しさが必要です。
また、フローは受け身ではなく自発的に行う活動に多く、例えば、テレビを見るよりも、スポーツをしたり、創作活動に取り組んだり、音楽を演奏したりする方がフローになる可能性が高いとされています。
私にとって、プログラミングはもっともフローに至りやすい活動です。
それは何故か。プログラミングが、どのように先ほど挙げた条件を満たすことができるのか、見てみましょう。
・ゴールが明確でフィードバックが早い
プログラミングに取りかかる前に、どんなプログラムを作成するかゴールを決めます。プログラミング中は、エディタ(プログラムを記述するためのソフトウェア)からリアルタイムに間違いを教えてもらえます。また、作成したプログラムを動かすことで、プログラムが期待通りに作れているか確認できます。
・次々と新しい技術が生まれてくる
プログラミングの世界は日々発展していて、新しい技術を学び続けることが重要です。どんなにプログラミングに慣れていても、新しい技術を学ぶことには難しさがあり、そのことが、プログラミングの魅力の一つでもあります。
・好きだから夢中になってやる
私はプログラミングが好きで、これまでプログラミングができる職業・仕事を選んできました。仕事でプログラミングするときも楽しいと感じますが、趣味でプログラミングに取り組むときは本当に夢中になってやっています。
フロー状態では、自分のスキルに見合った難しいことを、苦もなく、時間も忘れ、無我の境地で挑戦することになります。そのため、フローはスキルの上達において重要な役割を担います。
みなさんは、どんなときにフロー状態になるでしょうか? また、お子様のいらっしゃる保護者の方は、お子様がどんなときにフロー状態になるでしょうか?
「何も思い当たらない…」という方は、まずはこれを機にプログラミングに取り組んでみるのも良いかもしれませんね。
チクセントミハイは、人間が幸福になる上でフロー体験を得ることが重要だと主張しています。是非、フロー状態になれる瞬間を探してみて、そんな時間を大切にしてみてください。
ソフトウェアと心の関係
#1 私がプログラミングで“やる気”になれる理由
#2 やる気の出し方、私たちがゲームから学べること
#3 「子どもにご褒美」はOK?NG?5つのチェックポイント
#4 ご褒美よりも有効な「罰」を有効活用するには?
#5 (後日掲載予定)
#6 (後日掲載予定)
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この記事を書いた人
坂本 一憲
WillBooster合同会社CEO. 研究者・教育者・起業家。早稲田大学 研究院客員准教授、国立情報学研究所 客員助教などを歴任。プログラミング教育やゲーミフィケーション、競プロ、ソフトウェアテスト、心理学(自制心・意欲)が好き。ゲームAIプログラミングコンテストも開催している。