新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
子育て・教育
2019.02.6
【今回のポイント】
・2020年、学校教育も大学入試も大きな変化を迎える。
・求められているのは、社会の変化に対応できる資質や能力をもつ人材。
・学校教育は、「アクティブ・ラーニング」を通した能動的な学びへ。
教育の大改革が目前に迫り、学校での授業が大きく変わると言われています。特に注目されているのが、よりアクティブな形で行われる「主体的・対話的な学び」です。しかし、ただ子どもたちを新しい学習環境に放り込んだだけでは、有意義な学びを実現するのは難しいでしょう。 子どもたちの「やる気」を刺激し、アクティブな意欲と行動を引き出すために、保護者の立場からは何ができるのでしょうか。青山学院大学准教授の小針誠先生が解説します。
2020年──この年の夏に注目のビッグイベントである東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。その一方で、学校教育も大学入試も大きく様変わりします。
主なものを挙げると、幼児教育から大学教育までの「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)の重視、小学校では、授業時間の大幅増加、道徳や高学年の外国語(英語)教育の教科化やプログラミング教育の導入、道徳の教科化、高校においては教科目名や内容が大幅に変わります(小針誠『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』:講談社)。
学力についても、これまでの①知識・技能の習得のみならず、②思考力・判断力・表現力や③学習意欲の「学力の三要素」が重視されるようになります。それを受けて、大学入試でも、大学入試センター試験を廃止し、マークシート式回答問題と記述式問題を採用した大学入学共通テストが実施されます。英語の入試は、従来の「読む」「書く」に加えて、「聞く」「話す」の4技能を評価するように改革が進められています。
どうして学校教育や入試のあり方が大きく変わるのでしょうか。
それは「これまでの学校教育や大学入試のあり方では、変化が激しく、先が見えない社会に対応できる資質や能力をもった人材を育てられない」と文部科学省や経済界などが考えているからです。
これまでのように、ただ与えられた知識や技能を獲得する(覚える)だけにとどまらず、知識を分析したり、批判的に思考したりしながら、初めて直面した問題や自ら設定した問いに答えを出す新しい知が期待されています。また、高いレベルのコミュニケーション力で、その知を全世界(グローバル)に発信できる能力も求められています。
だからこそ、学校教育では、アクティブ・ラーニングを通して、他者と意見を交換したり、人前で発表したりなどといった経験を通して、高いレベルのコミュニケーション能力を育てようとしているのです。
学校教育や入試の大改革に対して、これから家庭でどのように子どもたちと関わり、学校や入試に向き合えばよいのでしょうか。
これから5回にわたって、考えてみたいと思います。
【連載】2020年、子どもたちのアクティブな学びを考える
1. 未来を担う子どもたちに、これから「求められる力」とは
2. 思考力や探究心を育むには
3. 習い事やお稽古事は早くからやらせた方がいい?
4. 「勉強しなさい」は効果的?
5. 経験や体験を親子で共有し、子どもの興味・関心を広げよう。
6. 情けは人のためならず~「みんなの学校」のために~
小針 誠
青山学院大学 准教授
こばり・まこと●1997年、慶應義塾大学文学部卒業。2005年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。同志社女子大学准教授を経て、17年、青山学院大学教育人間科学部准教授に就任。現職。
教育社会学や教育社会史を専門とする。著書『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』(講談社現代新書)。