おちゃっぴさん活力の源「ねんどで子どもの目が変わる瞬間がぼくのやる気」
「子どもの頃からずっと頭の中に浮かぶものを形にしたかった」と、会社員からクリエイターへと転身したおちゃっぴさん。どのようにクリエイターとしての軸が固まったのか。自分だけの創作にとどまらず、子どもに創作の楽しさを伝え続ける理由とは?モチベーションの源泉をお話いただきました。 おちゃっぴ ねんどクリエイター自身が考案したオリジナルのねんどを使って、キャラクターデザインなどを手掛ける。このほか、全国各地で子ども向けねんど教室も実施。2020年3月より、新型コロナウイルス感染拡大で外に遊びに行けない子どもたちのため、オンラインねんど教室を始めた。 Follow @ochappi 自分にハマったねんど ――おちゃっぴさんは会社員からクリエイターへ転身されたそうですが、安定したサラリーマンを辞めてまでやろうと思った理由は何だったのですか? 子どもの頃からずっと、頭の中に浮かんでくる風景だったりキャラクターだったりを形にしたいと思っていたんです。 だから大学を出たら造形に関する仕事をしたいと思っていました。最初に就職したのはロボットを作る会社で、博物館の恐竜を動かすなどをやっている企業でした。そこでものづくりの仕事ができればいいなと思っていたんですが、経済学部だったので営業しかやらせてもらえなくて(苦笑)。 でも営業の仕事も楽しかったんですよ。いろんな人と関われる職種なので技術の人とも話せましたし、日本中飛び回ってそれなりにやりがいを持って働いていました。だけど「自分が創りたい」という熱は消えなかったんですよね。 ――それで決心されたのですね。 ただ、まず転職をしました。商品企画の仕事をやりたかったんですよ。おもちゃコレクターの北原照久(※)さんが経営されている「ブリキのおもちゃ博物館」で働かせてもらい、オリジナル商品の開発について勉強させていただきました。 で、その商品の一つにねんどがあったんです。お客さんへのデモンストレーションでねんどでいろいろ作っていると、ある日、「作品を売ってくれませんか」と言われました。それが「自分はねんどでやっていけるんじゃないか?やってみよう!」と、クリエイターへの道が開けた瞬間でした。 ※北原照久(きたはら・てるひさ)おもちゃコレクター。「ブリキのおもちゃ博物館」の運営会社・株式会社トーイズ代表取締役。テレビ東京系列「開運! なんでも鑑定団」レギュラー出演のほか、講演などで活躍中。 ――スイッチが入った瞬間ですね! 自分で入れたというよりは、お客さんに入れてもらった感じですけどね(笑)。 それからもう一つ、クリエイターになる決心がついた理由があります。実はこの頃、事故で指先をなくしてしまったんです。だから、「手や指が自由に動かせるうちにやらなくちゃ」という気持ちが強くありました。それでねんどを本格的にやるようになったんです。 ――ねんどでの創作を見出されて、ねんどはどんなところが魅力だと思いましたか? ねんどは、絵を描くのとはちがって、イメージを固めてから作るというものではないんですよ。とにかく先に手を動かせるのがねんどなんです。それは自分にとって良かったことでした。 というのも、ぼくは子どもの頃から創作意欲はあったんですが、図工や美術が得意だったわけではなくて(笑)。なぜかというと、どう表現していけばいいのかわからなかったんです。だから、いかに表現するかを考えるより先に手を動かすねんどは、自分に合っていました。 まずねんどにさわる、そしてこねながら、作品へと仕上げていく。その過程が楽しく、やりがいがあります。 作品を作る上で大事にしているのは自分が納得できるかどうか。心からいいと思うものができた時は、「よく来たねえ」と思わず作品に話しかけてしまうという。 ――その後、仕事は順調に? いや、大変でしたよ。フリーで活動し始めた当初は、キャラクタービジネスが流行った時代だったので、その波に乗ってやっていけるかなと思っていたんですが、そんなに甘くはなかった。 初期の頃は一緒に組んでいる方がいたので、その方が企業に企画を持ち込み、通ったものを作らせてもらっていました。ほかは、あらゆる繋がりをたどりました。どんどん自分を売り込みに行きましたよ。稼ぎを得るのには苦労しました。 だけど、「ふつうに人生を進むよりは変わった道でもいいから創作をやっていきたい」という気持ちが大きかったんですよね。その想いが自分を動かしていたような気がします。 子どもと創作の喜びを分かち合う ――おちゃっぴさんは自分で創るだけでなく、子ども向けねんど教室も長くされていますよね。 この投稿をInstagramで見る 今日は築地ティラノサウルス粘土教室! 午前終わりましたー。 こじんまりとですがみんな集中してすごかったよー。 午後もやるよー。飛び入り歓迎! #築地 #イベント … Continue reading おちゃっぴさん活力の源「ねんどで子どもの目が変わる瞬間がぼくのやる気」
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