仕事・働き方

まなまる(永藤まな)が話題!「好きではなかった」ピアノを仕事に選んだ理由とは

2020.11.16

ピアノの即興弾き語りだけにとどまらず、アニメキャラクタ―のモノマネや腹話術など、マルチに才能を発揮しているまなまる(永藤まな)さん。彼女がピアノを仕事にしようと思った「やる気」とその経歴に迫りました!
▶YouTuberインタビューシリーズはこちら

 

 


 

 

まなまる(永藤まな)

1993年1月8日生まれ。長野県出身。ピアノタレント。主にライブ配信アプリ「SHOWROOM」をはじめ、YouTubeやTwitterなどのSNSで活躍。ピアノの即興弾き語りだけにとどまらず、人気アニメキャラクタ―のモノマネや腹話術など、マルチに才能を発揮している。2019年より南伊豆町観光アンバサダーに就任、邦画情報誌『CINEMOTION』にて連載コラムを開始するなど、精力的に活動の幅を広げている。まなまるのチャンネル登録はこちら

 

 

 

 

弾くことよりも
求められることがうれしかった


 

やる気ラボの勝部です。まなまるさん、本日はよろしくお願いします!

 

よろしくお願いします!

 

まなまるさんはライブ配信アプリ「SHOWROOM」をはじめ、YouTubeやTwitterなどでピアノの即興弾き語りを中心に活動されています。

 

 

ピアノを弾きながらファンの人たちのリクエストに応える姿やアニメキャラクターのものまねが圧巻ですが、ピアノはいつごろからどんなきっかけで始めたのですか?

 

ありがとうございます。
ピアノは4歳の頃から始めたんですけど、始めたきっかけはぜんぜん覚えていないですね(笑)気づいたら、いつの間にかずっと続けていたというイメージです。

 

4歳から!とても早い。それは忘れてしまっても仕方ないですね。

 

たぶんですけど、私が「やりたい」って言いだしたんだと思います(笑)
やりたいことはやらせてもらえる家庭環境だったので英語の教室にも通ったり、母が習字の先生だったので半強制的に習字もやらされたりしましたけど、その中でいちばん自分にあっていたのがピアノでした。当時から、いちばん結果を出せるのがピアノだったんです。

 

それでは、幼いことからずっとピアノが大好きで、それが今の活動につながっているというわけですね?

 

実はそうではないんですよ!
正直…、ピアノはあんまり好きじゃなかったかもしれません(笑)

 

え、好きじゃなかった…?どうしてでしょう?

 

とにかく練習が嫌いだったんです。
今もなんですけど、私は継続してコツコツやっていくことがあんまり得意ではなくて、毎日必ず決まった時間練習しなければいけないというのが苦痛でした。特に、人に言われてやるのがいやだったので、親とバトルすることもありましたよ。「今、やろうと思ってたところ!」って(笑)

 

それ、わかります。僕も子どもの時、同じ理由でピアノをやめてしまったので。
まなまるさんはどうして続けることができたのですか?

 

性格的にやめることができなかったんですよ。人に求められることをやりたいと思うタイプだったんです。

 

それはどういうことですか?

 

例えば、コンクールや発表会など、人前に出たときにもらえる拍手。結果が出たときに先生や両親が喜んでくれる姿。そういうのを見ると、本当にうれしかったんですよね。
また、音楽会が近づいてくると「やっぱり、ピアノはまなちゃんだよね」という友達の言葉がうれしかった。そういった周りの人たちの姿や期待が、私にやる気をくれたんです。だから、続けたというよりは辞められなかった…(笑)

 

「ピアノがすごく好き!」という思いよりかは、「喜んでくれる人を見たい」「期待に応えたい」という思いが、まなまるさんをピアノの世界に留まらせたんですね。

 

4歳からクラシックピアノ1本です!

 

 

音高・音大への進学
周りの声に救われた


 

高校は音楽高校に進まれます。当時のまなまるさんにとって、覚悟のいる選択だったのではないでしょうか?

 

進路にはかなり悩まされました。学校の先生からは「高校から音楽を専門的にやっちゃうと将来の可能性が狭まるから、大学からにしたらどうだ」と言われたこともあります。
でも、正直勉強ではいちばんにはなれなかったので、「それならピアノで!」と覚悟をもって決断しました。

 

かっこいいです!

 

あとは、当時の私は反抗期だったこともあり、生活を変えたいなと思って(笑) 心機一転、親元を離れて挑戦しようと思ったというのもありますね。

 

実際に入ってみてどうでしたか?

 

知らない人ばかりだったので最初は怖かったですが、やはり専門を選んでくるだけのことはあって、みんな志は同じ。自分のように一人暮らししている人もいたので、すぐに打ち解けることができました。
また、発表の場所や人前に出る舞台というのが年に数回用意されていたので、目標設定を明確にすることができてやりやすかったですし、目標に向かって一生懸命がんばったことで技術の向上にもつながりました。

 

普通の高校生を羨ましく思いながらも、必死に音楽に打ち込んだという

 

その流れで、大学も音楽大学を選択されたのですか?

 

実は、大学進学の際も非常に悩みました。子どもが好きなので地元の音楽の先生になりたいという気持ちもあって、教育大学に行くか音楽大学にいくか、ぎりぎりまで迷っていました。

 

進学の決め手は何だったのでしょう?

 

父が買ってくれた漫画の「のだめカンタービレ」を読んで、影響されたんです(笑)

 

懐かしい!主人公が音大での仲間との出会いで音楽の楽しさを思い出し、自らの音楽世界を切り拓くという物語でしたね。

 

そうです!私は、主人公が自分の作りだした音楽で人々を感動させている様子をみて、自分のいちばんの喜びはこれなのかな、と思ったんです。
今まで自分の演奏が誰かに喜んでもらえたときの感動がやる気の源でしたし、そういう機会があるたびにやめられないなと再確認してきたので、教えることよりも自分が弾くことを選びました。

 

ピアノ自体よりも、ピアノを弾くことで得られた称賛にやりがいを感じていたというのは、幼い時から変わらなかったのですね。

   

しかし、大学に入ると「やらされる」環境も増えていくと思います。大変なことも多かったのではないですか?

 

大変でした!(笑)
何度も「辞めたい」と親に相談したこともあります。

 

具体的にお聞きしてもいいですか?

 

大学での勉強はかなり専門的になっていくので、音楽以外のことをやろうとすると大変なんですよ。
友達と遊びに行こうとするだけでも一苦労。レッスンや個人練習など、音楽のことがネックになって他のことがまったくできませんし、専門性が高いので将来が狭まっていく危機感もありました。

 

まなまるさんは、元来から「やらされる」ことに抵抗があるとおっしゃっていましたもんね。

 

あとは、どんなに頑張ってもかなわない人がでてくるんです。上を目指していけばいくほど、いくら練習しても技術的に勝てない人の存在を意識してしまい、きついと思うことが多くなりました。今まで自分が他の人よりもできることを選んでやってきたのに、これから一生懸命やる意味はなんだろうと悩むこともありました。
そんなきつい環境から、逃げだしたいと思うことが多かったんです。

 

そのような中でもピアノを続けられたのは、どうしてですか?

 

最終的に自分を奮い立たせてくれたものは、やっぱり周りの声でした。「ここでやめたらもったいない」「頑張れ」という応援。今思い返すと、幼いころから周りの人たちの後押しがあって、思いとどまることの繰り返しだった気がします。

 

「本当によく続けてきたな~」と笑うまなまるさん

 

 

続けてきたことが
最後に自分を守ってくれた


 

まなまるさんは卒業してすぐに、今の活動を始められたのですか?

 

いいえ。在学中から、一般企業に入ろうと就職活動をしていました。

 

え、一般企業ですか?

 

はい。最近では、音大生でも一般就職する人が多いんです。ピアノの先生になるにしても一人暮らしだと金銭面でかなり厳しいということもあり、むしろ、どうしたらいいのかわからないという人もかなりいるんですよ。

 

なるほど。

 

だから、私も幼稚園の先生とか楽器店への内定とかをもらったりしてたんですけど…、なんとなく違うなと思ってお断りしました。大学院の試験にも受かったんですけど…、院を出ても結局同じことで悩むんじゃないかなと思ってお断りしました。
そして、最終的にはフリーのピアニストとして活動することに決めたんです。

 

大変申し訳なかったですが、いろいろお断りしてしまいました…(笑)

 

最初は、友達の伴奏などに呼んでもらったりしてやっていたんですけど、やっぱりコンスタントに仕事をもらえる状況ではないですし、演奏会をするにしても自分で会場を借りてお客さんを呼んでとなるとマイナスみたいな時期があって…。

 

ピアノを弾くモチベーションを失ってしまった、と。

 

そうです。結局アルバイトばかりになってしまって、音楽をやっている意味がわからなくなってしまったんです。そして、「それでもいいから続けたい」という意思も自分にはありませんでした。
今までピアノを続けてきた目的が「お客さんに聞いてもらえる」「喜んでもらえる」という面が大きかったから、それすらもなくなった時、本当につらい思いをしました…。だから、地元に戻ることを決意したんです。

  

そんな時期があったとは…。
そこから、どうやって今の活動につながっていくのでしょう?

 

実家に戻ることを決めた時に、「せっかく東京にいるんだから最後にやり残したことを全部やってから帰ろう」という気持ちになったんです。今まで積み重ねてきた音楽とはまったく別のことを1回やってみて、それでうまくいかなかったらすべての踏ん切りがつくな、と。

 

ふむふむ。

 

本当に自分がやりたいことを考えたときに、芸能活動のように人前でできることをやってみたいと思いました。そしてそこから始まったのが、今の活動なんですよ!

 

え、ちょっと待ってください…。音楽とは「別のこと」ですよね?
ばりばりピアノじゃないですか!

 

最初は、まったく別のことをしようと思って始めたんですよ(笑)
「SHOWROOM」という配信アプリで活動を開始したんですけど、始めて何日かはただしゃべっているだけでぜんぜん面白くなくて、「ほかの人たちと違うことをやらなきゃ伸びない」と感じたんです。

 

そんな時、自分の部屋を見渡してみて真っ先に目に入ったのがピアノ。あぁ、やっぱり自分にできるのはピアノしかないんだと…(笑)

 

まさに腐れ縁ですね(笑)

 

 

しかし、まなまるさんのその予想は的中。ピアノの即興配信の新鮮さが話題を呼び、2017年には「SHOWROOM」年間最優秀賞にも選出されました。

 

配信というスタイルが自分にあっていたんだと思います。
ピアノのコンサートだったら演奏後のお客さんアンケートでしかフィードバックをもらえないけど、リアルタイムの配信だとコメントを通して反響がわかるので、どういうふうにすれば喜んでもらえるかということを学べました。そして、それに合わせて自分を変えていくことができたんです。

 

まなまるさんのやる気の源である「周りの人の喜ぶ姿」。それが、SNSだと目に見えてわかりますものね。

 

 

そうです!そして、いろいろコメントをいただいたことで、私自身たくさんのことに挑戦できたんです。
私は「それはできないです」というのはいやなので、とりあえず何かやってみる。そうすると、自分でも「こんなことができたんだ!」という新しい発見がある。そういう感じで、現在の何でもやるスタイルが生まれたんです。本当にファンの人たちの声があるからこそ、続けられていると実感していますね。

 

言い方はよくないかもしれませんが、土壇場になってようやく、幼い頃から続けてきたピアノが実を結んだのわけですね。

 

今となっては、これまで一生懸命ピアノを続けてきて良かったなって思います。

 

 

好きじゃないことも
一生懸命やってみる


 

それでは最後に、「やる気が出ない」「やりたいことが⾒つからない」といった悩みを抱えている読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。

 

私は、とりあえず何かを一生懸命やってみるということが大切なのかなと思います。それは、必ずしも好きなことじゃなくても良いと思うんです。だって、できると思っていなかったものができるという経験は、やってみないと得られないですから。

 

まなまるさん自身も、何度もやめようと思っていたことがここまで続いて、今それがお仕事になっている。何があるかわからないですものね。

 

 

そして、「周りの声」というのは最大のやる気スイッチだと思うんです。
自分からやる気をもってできることがあればそれがいちばんなのかもしれませんが、やったことに対して周りが反応したり喜んでくれたりすることは、つらいい時や大変な時のやる気に直結すると思います。

 

まなまるさんが配信で活躍できたように、ですね。

 

とにかく、「挑戦してみること」「一生懸命やってみること」は、自分自身を変えてくれると思います。今のままではなく一歩進んで新しい自分になろうとすること、これが大切なことだと私は思います!

 

挑戦すること、続けることの大切さが伝わってきました。
まなまるさん、前向きなお話をありがとうございました!

 

 

 

 


\ まなまるさんをフォローしよう! /

\ ライターをフォローしよう! /

 

あわせて読みたい

新着コンテンツ

この記事を書いた人

勝部晃多(かつべ・こうた)

やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。

 
ライター募集中!
 

ページTOPへ