新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2023.12.8
本柳寛子(もとやなぎ・ひろこ)さん
1986年生まれ。静岡県浜松市出身。京都の大学を卒業後、大阪の服飾専門学校を経て東京で就職。衣裳の仕事やアート・カルチャーイベントの企画・運営を行い、2015年にドイツ・ベルリンに移住。ヨーロッパ各地を旅して2019年に帰国。長野県松本市で結婚し、2021年に出産。2022年より産前産後のママ向け食事宅配サービス『mama eats』をスタート。「Alps gohan(アルプスごはん)」や「atelier C(アトリエ・シー)」などの旬の地野菜を中心としたお弁当、グルテンフリーのお菓子や喫茶を営む「そればな」のお菓子なども配達。料理教室やワークショップなど食にまつわるイベントも開催。
note:mama eats
Instagram:mama eats
――『ママ・イーツ』は、信濃毎日新聞をはじめ、さまざまな地元メディアで話題になっていますね。ニュース番組でも大きく特集されていて、素晴らしいサービスだと思いました。
ありがとうございます。いつもお弁当をつくってくれている料理家さんや届けてくれるデリバリー・ママさん、産後から利用してくださるママさん、それぞれの目線から丁寧に取り上げていただけて嬉しかったです。画面にこそ映っていませんでしたが、これまで本当にたくさんのサポートがあって、このサービスがつくられていることを改めて実感する機会となりました。
長野朝日放送『abnステーション』2023年8月30日の放送『ママ・イーツ』特集
――どのようなサービスなのか、全国の方々に向けて教えていただけますか?
“ママによるママのためのお弁当デリバリー”というコンセプトで、長野県松本市を中心として産前産後のママや働いているお母さんに向けてお弁当を届ける宅配サービスをしています。
届けているのは、無農薬野菜を中心とした料理を提供する地元の食堂「Alpsgohan(アルプスごはん)」さんや「atelierC(アトリエ・シー)」さんのお弁当。この夏からは『おやつ便』として、グルテンフリーのお菓子や喫茶を営む「そればな」さんのお菓子の取扱いも始めました。容器には、電子レンジや食洗機対応の環境配慮型の容器を使っています。
産後のママは体の回復や赤ちゃんの母乳のためにもバランスのとれた食事をとることが大切ですが、家事もままならない体で家族の食事の用意をするのは大変ですよね。少しでも食事のサポートをしてママが幸せになれば、家族みんなが幸せになれる。そんな想いで立ち上げたサービスです。
――玄関先でのデリバリー・ママさんとの子育てトークも人気の理由だそうですね。
そうですね。デリバリーをしているのも子育て中のママなので、お届け先のママとちょっとお喋りをするのが『ママ・イーツ』の特徴の1つになっています。お弁当を届けるだけでなく、ママたちの心のケアをしたり、ゆるい繋がりをつくって、まずはママに元気になってもらえたらと思いまして。
私は5年前に松本に移住してきて、初めての妊娠・出産がちょうどコロナ禍だったんです。私の実家は静岡で、夫は和歌山。どちらの親も離れて暮らしていて、知り合いも少ない。外出自粛で母親学級みたいな横のつながりも一切ない状態だったので、すごく孤独や不安を感じました。
ましてや妊娠中は、お医者さんと自宅の往復だけ。出産したら、さらに外出は難しくなります。もともと私はアウトドアなタイプで、人と会ってお喋りするのが大好きだったので、そういう繋がりがごっそりなくなって、小さな息子とふたり、繭の中の生活みたいになってしまったことが、とっても苦しくて。産後うつになってしまう女性もいますし、産前産後のママはみなさん、そういうシーズンだと思うんですよ。
なので、ドア越しにちょっとお喋りするだけでも、ママたちの心の支えになるのかなと思って、お弁当をお届けする際は、できるだけお話をするようにしています。
――ママたちの反響はいかがですか?
ありがたいことにお客様には恵まれていて、お弁当を届けるたびに感謝の気持ちを伝えてくださるんですよね。赤ちゃんが生まれてすぐにメールや写真を送ってくれたり、その後にお弁当をお届けしたときに、自分の宝物のような赤ちゃんを見せてくださる方もいます。そういう瞬間は本当に幸せで、このサービスを始めて良かったなって実感します。
――ママ向けのデリバリーサービスというのは、今までなかった?
私も妊娠中に調べてみたのですが、一般的なフードサービスしかなくて、当事者の1人として「こういうのがあってもいいんじゃないかな」と思ったんですよね。なので「なかったから、つくった」というのが、このサービスを始めた一番の動機ですね。
子育て支援が『ママ・イーツ』の大きな目標なので、ドア越しにお喋りするだけでなく、ご希望があれば助産師さんやヘルスケアラーさんを紹介したりもしています。また、料理家さんと協力しながら、食育ワークショップや親子料理教室など食にまつわるイベントも開催しています。心身をケアして、ママたちに元気を届けたい。まだまだ発展途上ですが、そんな想いを持って活動しています。
――本柳さんは、もともとは東京で衣裳関係の仕事をしていたそうですね。
はい。子どもの頃から絵を描いたり歌を唄ったり、お勉強よりも身体を動かすことが好きで(笑)。服飾というものにも学生時代から興味があったので、京都の大学に通いながらWスクールで大阪の夜間の専門学校にも通って、東京の松竹衣裳という会社に就職しました。
そこでは衣裳部として映画やテレビ、CM、雑誌などの衣裳関係の仕事を3年くらいしていたのですが、その後はフリーランスになって、裏原宿にあった「VACANT」というコミュニティスペースで、アート・カルチャーイベントの企画・運営などもやっていました。
私は音楽がすごい好きなので、音楽イベントを企画したり、ダンスやトークショー、寄席もやったり、もう何でもやっていました。すごく刺激的な場所でしたね。
――その後、ドイツに移住されたのですよね。
はい。ただ、それはイベントをやりたいと思ったわけではなくて、単純に「ベルリン」に興味があったのと、海外の暮らしをずっとやってみたかったんです(笑)。ドイツはワーキングホリデーのリミットが30歳だったので、このタイミングで行くしかないと思って、30になる手前にドイツに飛びました。
まずは服飾の専門学生のときから大ファンだったアパレルブランド「BLESS」がベルリンにスタジオを持っていたので、そこでインターンをさせてもらって。その後はコレクションの度にフリーランス契約で仕事をしながら、音楽関係のイベントを計画したり、日本のクラフト作家さんを呼んでエキシビションを開いたり、お店と繋げるプロジェクトにも関わっていました。
1年間ワーホリで過ごした後、フリーランスビザに切り替えて、ヨーロッパを旅したりして3年半くらい住んでいたんですけど、結構自由に暮らしていましたね。
――当時はその後、どんなキャリアビジョンやライフビジョンを考えていたのですか?
ノープランです(笑)。今もそうなんですけど、私は基本的に「何年後にこうしていこう」と決めるタイプじゃなくて、そのときに興味があることに対して、まずやってみる、行ってみるという感じなんですよね。今思えば、本当に怖いもの知らずというか、何も考えず海外に行くのは無茶だったと思うんですけど、興味があったから行ったし、得たものも大きかったと思います。
――ドイツで得たのは、どんなことでした?
ヨーロッパ自体が日本とまったく違う文化圏なので、良いところも悪いところもありましたが、今までずっと島国で同じような価値観や言語の人たちの中で暮らしてきて、それこそ専門学生のときは自分の作品をアピールするようなことは練習してきましたが、そうではなく、自分自身のことや自分のルーツとかを改めて聞かれることで、自分の輪郭がはっきりしてきたなって思いました。
当時のベルリンは、昔のニューヨークのような雰囲気があったので本当にいろんな方がいましたし、アーティストやスタートアップ事業者もたくさん住んでいて。お金がなくても工夫して、クリエイティブに暮らしている人がいっぱいいました。そういう意味では東京と真逆というか、「お金がなくてもこんなに豊かに暮らせるんだ」という可能性や、生き方の本質みたいなものを感じることができました。
「生活をより楽しんで、豊かにして、家族を大事にして」というヨーロッパの文化に興味があったのも移住した理由の1つだったので、実際に触れてみることで、自分の中でしっくりきたというか、そういう人間関係のつくり方にとても惹かれましたね。
――今の『ママ・イーツ』の発想にも繋がるようなお話ですね。
そうなんです。今のサービスを始めた直接のきっかけは、自分が初めて妊娠・出産を経験したことでしたが、発想の原点は、実はドイツでの経験だったんですよね。
ドイツは少子化対策が進んでいて、日本と比べると補助もかなり手厚くて、移民でもちゃんと手厚く保護をかけてくれていました。当時の私は結婚なんて全然考えていなかったのですが、そういう様子も見てきましたし、日本人の友人夫妻が双子の赤ちゃんを生んだときに、友人の繋がりということで、その家庭にごはんをつくりに行ったりしていたんです。
私自身は調理師免許を持っていたわけでも、そういう仕事をしていたわけでもなかったのですが、2人の料理家さんとローテーションで産前産後のママにごはんをつくるということをしていまして。買い物に行って、キッチンに入って、ご家族みんなの食事をつくったり、ケータリングしたり。
ドイツから帰国して自分が妊娠したときに、そのことを思い出したんです。「出産後はキッチンに立てないし、安静にしていなくてはいけない。でも食事はちゃんと摂らなくちゃいけない」。そう聞いていたので、ドイツでやっていたようなサービスはないかなって調べてみたのですが、もちろんなくて。「どうしよう」と考えたときに「ないなら自分でつくろう」と思ったんですよね。
――ドイツから帰国して松本に移住したのは、どんな理由があったのでしょうか?
京都、大阪、東京、ベルリン、今までいろんなところを放浪してきたので、そろそろ自分の巣をつくっていくシーズンかな、という感覚があったんです。生活をより楽しんで、豊かにして、家族を大事にしたい。そんな気持ちがドイツでむくむくと湧いてきまして。
東京は、人や情報があまりにも多すぎて疲れてしまうので、もう戻る気はなくて。当時お付き合いしていた今の夫が松本で開業していたので、そこにジョインする形になりました。松本は、以前に旅行に来たときに「水が綺麗で、自然も豊か。ここなら嫁いでもいいかな」と(笑)。
多様なバックグラウンドや価値観を持つ人やモノが交流できるコミュニティスペースをつくりたい。それもドイツから帰国しようと考えた理由の1つでした。この街に自分の居場所みたいなものをつくって、旅行者だったり、近所のおじいちゃん・おばあちゃん、お母さん、いろんな人たちが交流できる場所をつくりたい。そこに追随して、カフェやギャラリー、ゲストハウスとかもやってみたいなって。
そこでまずはカフェを併設したリトルプレス専門書店でイベントの企画などをしていたのですが、子どもができて、コロナ禍にもなって、イベントどころか自分が外出することさえ難しくなってしまいました。そのときにドイツでの経験を思い出して、自らトライアルしてみたんです。
――『ママ・イーツ』のようなサービスを自分自身で試してみた?
はい。以前から繋がりのあった料理家さんに協力していただいて、知り合いの男の子にデリバリーをお願いして。コロナ渦中、学生だった彼も自分でデリバリーサービスを立ち上げていたので、3ヶ月間お弁当を届けてもらいました。すると、お弁当だけでなく、ちょっとした手紙やお花を添えてくださったり、料理家さんからは手作りのクッキー、私が興味を持ちそうなイベントのフライヤー、忙しい間にもさくっと読める雑誌コラムのコピーなど、いろんなものを一緒に届けてくださったんです。そういう暖かい心遣いが、とっても心に染みまして。
また、食事の大切さも改めて実感しました。産前産後に必要な栄養素をとることや、食事がすごく癒しになって、生活のベースになること。どんなに毎日大変でも食事の時間だけは幸せで、ちょっとした息抜きになること…。届けていただいたお弁当は、自分にとってのプレゼントみたいに感じました。
同時期に出産した友人もトライアルをしていたのですが、「やっぱりこういうのがあったらいいよね」と同じ想いを共有することができました。それで「あったらいいよね」を本当にやってみようと『ママ・イーツ』の活動をスタートさせることにしたんです。トライアル後、彼女は松本を離れてしまったので、私ひとりでサービス実現へと動き出すことになりました。
――まずは、どんなことから始めたのでしょうか?
「信州スタートアップステーション」という長野県が設置する創業支援拠点の戸を叩いたのが最初の行動でした。「こういうことを考えています」「産後にこういうトライアルをしました」「こういうアイデアがあるんですけど、どういう風に形にしていけばいいでしょうか」と相談したら、そこのコーディネーターの方が伴走してくださる期間があったんですよ。
それは市役所で紹介してもらったのですが、0歳の息子を背負って、そこに通って相談しながら、だんだん具体的な形になっていって。開業届を出したのは、ちょうど息子が1歳の誕生日でした。
産後1年も経たない主婦が1人で起業しようとしても、頭も回らないし、何からやればいいのかもわからない。そういうサポートをしていただけて、本当に助かりました。開業にあたって免許的なものも特に必要なかったので、車両を用意したり、あとは料理家さんとお話を重ねながら「こういうお弁当をつくっていただきたいです」と伝えていって、今のサービスの形ができてきて。
そこから半年間、友人や知人を相手にトライアルを重ねて、ブラッシュアップし、本格始動となりました。
――料理家さんやデリバリー・ママさんは、どのように声をかけたのですか?
料理家さんは、今もお願いしている「アルプスごはん」さんは産前からお世話になっていましたし、「アトリエ・シー」さんは知人から紹介していただいて、実際に食べてみたら、すごく美味しくて。私の想いにも賛同してくださったので、「ぜひお願いします」と、すんなり決まりました。
デリバリー・ママは、最初はそんなに注文もなかったので、息子をチャイルドシートに乗せて私が1人で配達していました。だんだん注文が増えて月に100食くらいオーダーが入るようになってきた頃から、友人にヘルプで入ってもらったり、お客さんの中から『ママイーツ』の想いに賛同してくださって「自分もやりたい」という方も出てきてくださいました。
今はデリバリー・ママを募集しながら、彼女たちからサービスについてのアドバイスなどももらっています。自分ひとりでは限界があることも、たくさんの手と眼があれば、もっと良いサービスになると思っています。
――起業にあたって大変だったことは?
広報ですね。この活動を知って「いいね」と応援してくださる方はいっぱいいるのですが、それをどうオーダーに繋げていくかってことは今も課題です。正直まだボランティアの粋を超えていないので、もっと認知を広げて、ビジネスとして軌道に乗せていきたいので考えなくちゃいけないですね。
そして、自分が当事者になって気づいたことですが、日本全体の「母親とはこうあるべき」という一種の呪いみたいなものが存在していて、社会に対してはもちろん、女性の意識改革みたいなことも必要なのかなと思っています。
『ママ・イーツ』のお弁当は1000円前後、配達料は一律500円。やっぱり安いものではないので、ママたちが自分にお金をかけることを許すかどうかがポイントになってくるのかなって。産前産後はいろんなことにお金がかかりますし、旦那さんのご意見もあると思います。
食事はいちばん家計を削れるところなので、あまりものやコンビニのおにぎり1個を立ちながらささっと食べたり、赤ちゃんのお世話にいっぱいいっぱいになってしまうママもたくさんいます。私もそうでしたが、そういう時期に自分に対してお金を使うことに罪悪感を持つ人も多いでしょう。
でもやっぱり、毎日の食事はもちろん、自分を癒すことも大切だと思うんですよ。食べないと余計に精神的に病んできますから、心と体の栄養になるものをちゃんと摂ってほしい。それが『ママ・イーツ』のいちばんのコンセプトなので、「自分を大切にする時間を設けてもいいんだよ」「癒しも大事なんだよ」という想いも伝えていきたいです。
――お弁当を届けるだけでなく、ママたちの心身のサポートも大切にしているのですね。
はい。ただ、これは簡単な問題じゃないとも思っていて。社会全体のムードが「女性は家で育児をするのが当たり前」となっているので、女性の自立にも繋がってくるのかなって。精神的な自立、経済的な自立ですね。
それまでバリバリ働いていた女性も、結婚して家庭に入って子どもを産んだりすると、社会的な繋がりがなくなってしまったり、自分でお金を稼ぐことができなくなったりして、養ってもらっていることに負い目を感じてしまう。「ごはんにそこまでお金をかけていいのか」「自分にそこまでの贅沢を許していいのか」って。……何より私自身がそうだったんですよね。
だけど、ママたちには胸を張って、自分は「母親」という大事なシーズンを迎えていることを自分自身に認めてあげてほしい。そういうところまで伝えられたらいいなって。
伝えるなんておこがましいんですけど、慣れない育児に孤立せず、子育て家庭を地域で支え合う仕組みづくりを通して、多様性を認め、従来の育児や家事に対する価値観のアップデートを図りたい。
そんな想いを持って、このサービスを始めたので、ママたちが元気になって自立できるところまで、一緒に併走できたらいいなと思っています。
――食にまつわるイベントやワークショップも、その一環でしょうか?
そうですね。外に出る機会を増やすことも大事だと思うので、お母さんたちの「私はコレが好き」という想いや「ちょっと表現したい」って気持ちも応援できるように、今後はママたちの作品を扱ったギャラリーみたいなこともしていきたいです。そういう意味では、これまで私がやってきたイベントの企画・運営や、地域のコミュニティスペースをつくりたかった夢も、今の自分の形でできるのかなって思います。
今の日本でこういう活動をしているのは、まだNPOのようなボランティア事業として運営している団体くらいしかないので、ちゃんとビジネスとして確立できるように頑張りたい。まずは松本でビジネスモデルを確立させて、横展開ができればいいなと考えています。それは私がしなくても、それぞれの地域のママたちがやればいいと思いますし、女性の自立や意識改革、産前産後のママをサポートする地域コミュニティが当たり前になる世の中にしていきたいですね。
――突然ドイツに移住したり、産後すぐに起業したり、本柳さんの行動力はすごいと思います。どうしてそんなにいろんなことにチャレンジできるのでしょうか?
あんまり考えないからだと思います(笑)。今の活動も突然ドイツに行ったときと同じで「こういうものがあったらいいな」「ないならやってみよう」と、それくらいの気持ちで始めましたし、それほど投資が先にあるビジネスでもなかったので「子育てしながら、できる範囲でやろう」と。石橋を叩くというタイプではなく、まず行動してみる。もともとそういう性格なんだと思います。
「子どもがいるから外に出られない」「母親になったからあきらなきゃいけない」とうつうつと思うよりは、「子どもを抱えて自分が外に出ればいいじゃないか」という気持ちが原動力になっていて、それが結果的にいろんな人に喜んでもらえただけなので、そもそもは自分のため…というか(笑)。
――本柳さんのように「自分も何かやってみたい」「新しい活動をしてみたい」という人たちに何かアドバイスをいただけますか?
え〜っ、私の場合は「やらないで後悔するより、まずやっちゃう」タイプなので、アドバイスは難しいですね…。やらないで悶々としている時間が嫌というか、とにかく我慢が苦手というか、やらないと自分に嘘をついているような気持ちになっちゃうんですよね。うーん、「人生」という言葉を出しちゃってもいいですか(笑)。
私は「自分の人生をどう切り開いていくか」みたいなことは昔からよく考えていて、父の死もあり余計に「自分もいつどうなるかわからない」「いつまでも生きていけるわけでもない」と考えるようになりましたね。
そういう中で、自分がご機嫌に楽しく、周りの人と今を幸せに生きていくためには、やりたいことがあるのなら、まずやってみることが大切なのかなって。やらないと、その気持ちをずっと持ち続けてしまうじゃないですか。想いは消えず抱え込むだけですから、フレッシュなうちに動く。
自分の経験上、あまり考えずにやったほうがいい感じに進んだので、やっぱりタイミングは大事だと思います。考えれば考えるほど腰が重くなってきますし、「やらない理由」を考えて自分を言いくるめちゃったりしますよね。やっちゃうと大変なことも出てきますけど、楽しいですよ!(笑)
――今後の夢や目標は?
まずは『ママ・イーツ』でギャラリーをやりたいです。東京やベルリンでイベントをやっていたときもそうだったのですが、人と人を繋げたり、自分の表現したいことをみんなと分かち合って、そのインスピレーションが人を鼓舞できたらいいな、という想いは今も変わらずあるので、そういうことが私にとっての「人生」なんだと思います。
ママ・イーツのコンセプトを表現してもらったイラストは、松本市内に暮らす2児のママでもある小林萌さんが手掛けてくれました。コミュニティスペースをつくることは一回流れましたが、今の活動を続けていけば、ママたちのギャラリーだって全然できますし、自分らしく、楽しみながら、地域と子育てシェアをして、いろんなイベントもやっていきたい。
やっぱり人生って悪くないよね。そういう想いをみんなで分かち合いたいし、お喋りしたり、いろんな人たちと触れ合える、そういう場所をつくっていけたらいいなと思っています、自分の暮らす街で。リノベーションも興味があるので自分で壁を塗ったりもしたいですし、子育て支援は行政とも連携を取って、お母さんケアを拡張させていきたい。やりたいことはいっぱいありますね。
松本に来て5年。京都、大阪、東京、ベルリン、いろいろな場所で暮らして、自由に好きなことをやらせてもらってきましたが、興味や関心など、これまでバラバラだった点が繋がってきました。まだまだその渦中にありますが、今後もいろいろやっていきたいです(笑)。
――今後のご活躍も楽しみにしています。本日はありがとうございました!
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この記事を編集した人
タニタ・シュンタロウ
求人メディアの編集者を経て、フリーランスとして活動中。著書に『スローワーク、はじめました。』(主婦と生活社)など。