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仕事・働き方
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高円寺駅北口から歩いて3分ほどのところにある「ムッチーズカフェ」は、ポップな内装にたくさんの絵本が並ぶ「大人のための絵本カフェ」。
大学時代からの友人同士であるむっちさんとまどかさんによって営まれています。
お店の扉を開けるとにこやかに迎えてくれるむっちさんとまどかさん。店内の心地良さや可愛いフードだけでなく、二人の笑顔やキャラクターに惹かれて訪れるお客様もしばしば。
そんな二人は一緒にお店を切り盛りする一方で、プライベートでもルームシェアをしていて、文字通り「いつも一緒」です。
ずっと一緒にいて仲良くお店を続けられるコツは何でしょうか?
開業から4年を迎える二人の「やる気」に着目します!
むっちさん
ムッチーズカフェの「店の主」
1981年生まれ。北海道出身。大学卒業後は税理士の勉強をし、絵本とは無縁の暮らしを送っていた。絵本カフェをやることを決めてからは、毎晩寝かしつけのように、まどかさんから絵本の読み聞かせをしてもらい、今では店内のすべての絵本を把握している。
まどかさん
ムッチーズカフェの「ホールの主」
1981年生まれ。福島県出身。大学卒業後は9年間保育士として働く。幼い頃より絵本が好きで、絵本をテーマにしたカフェの発案はまどかさんによるもの。現在、カフェ運営の傍ら、『たのしい幼稚園』(講談社刊)で絵本紹介の監修を手掛ける。
ムッチーズカフェ
住所:〒166-0002 東京都杉並区高円寺北3-2-17 2F
アクセス: JR 高円寺駅北口より 小走り2分
営業時間:平日11:30-20:00 土日祝11:30-21:00
電話番号:03-5364-9190
HP:https://mucchis-cafe.jimdofree.com/
※店舗は西荻窪に移転しています。最新情報は公式Twitterをご確認ください。
二人は20年来の友人同士ということですが、初めて出会った時のお互いの第一印象はどうでしたか?
「いけ好かないやつー」と思ってましたよ。
ええ?!
大学の寮で出会ったんですけどね。先に仲良くなったまどかさんと同じ高校の子は言葉になまりがあって面白かったのに、まどかさんは標準語で、「なんだこいつー」と思ってました。
それは意外でした。まどかさんはどうでしょう?
私は最初「あっ今までに会ったことのないタイプの人だ」って思ったんです。当時むっちさんは金髪で近寄りがたい雰囲気で、自分から友達になろうとは思っていませんでした。
大学の入学式前日に寮に入りすぐ出会う
出会ってすぐ「意気投合!」というわけではなかったんですね。
でも今ではこうして二人でお店をされています。その後何かすごく仲が深まった出来事があったんでしょうか?
特に何かあったというわけではないんですが、高校の友人を介して付き合いを続けていくうちに、むっちさんは見た目は派手だけど中身は真面目だということがわかってきて、次第に打ち解けるようになってきました。
こっちはあんまり出会い立ての頃のこと覚えてないんですよね。学部が違うから授業も一緒になることはなかったんだけど、寮で何人かのグループで過ごすうちにいつのまにか。
特別なことはなくても普段の付き合いで仲良くなっていったんですね。
「お店をやろうよ!」という話はいつ頃出てきたのでしょうか?
大学2年の終わり頃だったかなぁ。時期的に進路を考えるようになって、そんな話が出たんだと思います。
まどかさんは保育士を目指していたので、まあ公務員になるわけですよね。それで「公務員つまんなくない?」「なんかやろうよ!」って。
むっちさんからの投げかけだったんですね。
「就職したくない」と思っていて、そしたら自分で何かやるしかないなあって。
まあでも何やるにしてもお金は必要ですよね。「貯めないと!」と思って私は卒業後保育士として働き、むっちさんはお金の勉強ということで税理士の専門学校に進学しました。
ということは、「なんかやろう」からすぐ資金を蓄えるという行動に移ったわけですね。
といってもはじめからやる気満々だったわけではないんですよ。
そうそう。「貯まったら旅行いこう」とかそんなレベルで貯金しはじめました。
何かやりたいとはいっても構想も何もまだなかったですから。
二人で出かけるとタイプが違いすぎるあまりに友達同士ではなく兄弟に間違えられたことも
そうだったんですね。では本気で「やるぞ!」と思って貯めはじめたのはもっと後だったんですね。
25、6歳ぐらいですかね。
ぼんやりとした夢の本気度が増したのは何かきっかけがあったんですか?
私の母がね、病気で倒れちゃったんですよ。それがきっかけだったかな。
「もう親には甘えていられない。自分の力で生きていかなきゃ」って強く思いました。
やっぱり身近な人の病気に直面すると、色んなこと考えますよね。「今まで普通にできてたことができなくなっちゃうんだ」って不安や焦りも出てきて。「人生一度きりだから」を意識するようになりましたね。
「ムッチーズカフェ」の構想が固まってきたのもこの頃だったんですか?
そうですね。「やるぞ!さあ何やる?」って具体的に詰めていきました。まどかさんが絵本好きだから、「それじゃあ絵本に関わることしようか」って。
それから絵本を広げられる場として「カフェ」が挙がり、絵本カフェの開業を目指していくことになったんです。
「いざ開業へ!」と目標に向かう中でお互いのモチベーションがブレたり、トラブルになったりということはなかったですか?
いやもうトラブルしかないですよ!だってちがう人間だもの。
具体的に動き始めてからわかりました。お互い全く別のことを思い描いていた。「そんなこと考えてたんだ」ってなりましたね。
それまでにある程度友人関係を築かれていても、やはりぶつかったのですね。
コンセプトが決まってからも、細かいところを確認するとずれていたり、ちがう考えだったり。開業直前もドタバタでした。
今の二人を見るととてもそんな風には見えないのですが、どのように解決していったのですか。
「絵本カフェ」はまどかさんの発案だから、「わからない、言っていることが想像できない」って言われたらそれはもう見えるようにしてあげるしかありません。こちらの考えていたことは全部やめて今の形になりました。
そこはむっちさんがまどかさんに歩み寄ったんですね。
コンセプトの主体はまどかさんだから、主体の人が描けてないと意味がないですよね。
まどかさんは「ホールの主」、むっちさんは「店の主」と役割をはっきり分けることが、スムーズな運営に繋がった
お互いのすり合わせがうまくいかなくて「もうやめる!」となったこともあったんでしょうか?
最初からやめるつもりでやってますよ。「もうダメだね」ってところから始まってます。
最初の一年間は地獄だったよね。
でもぶつかっても、やっぱり二人だから良かったんですよ。お互い波があるから、一方が下降気味の時はもう一方が頑張ろうってなれるんです。そうやって補い合いながらモチベーションを維持してきました。
先ほど「最初からやめるつもりで」というお話がありましたが、それでももう開業から4年目を迎えられています。だんだんと楽しさややりがいが生まれていったのでしょうか。
そうですね。始めた頃は一年でやめようと思っていたんですけど、ちょうどその一年目の終わり頃から絵本作家さんたちと交流するようになって、楽しくなってきちゃったんですよ。
周りの人たちに本当に助けられました…!作家さんをはじめとして出版社の方や、もちろんお客様も、人とふれあうことがこんなに楽しいんだと気づかされました。
それからは「ああ、自分たちも楽しくないとダメなんだ」と思い、私たちが楽しむことを忘れないようにしています。
自分たちが楽しむことを大事にして二年目以降も励まれてきたのですね!
はい、このまま10年、20年先も続けていきます。移転は検討していますが、「ムッチーズカフェ」という形でずっと二人で歩み続けていこうと思います。
そうね。もしまどかさんが何か別のことをするようになってもついていくよ。もう親より長く一緒にいるんだから。
そうだね(笑)。
私もついていくよ。
素敵です!二人はもう覚悟というものが決まっているんですね。
そうですね。お互い色んなことがありつつも、その都度助け合いながらやってきたからですかね。
お互いの信頼が固い二人に最後、「友人同士での起業を長続きさせる秘訣」を聞きたいと思います!
死ぬほど話し合ってください。
そうね。わだかまりが残ったままだと続かないから。自分の心からの声を出して、お互い納得するまでぶつけるといいと思いますよ。
私たちだって、納得できないといつまでも同じ話題で喧嘩してることありますよ。他のスタッフがヒヤヒヤするぐらい(笑)。
そんなに激しいのですね(笑)。
でもそれが重要なんですね。
そこでぶつかって、歩み寄れるかどうかですね。
それから「この人となら」とビビッときた感覚を信じて、いつでも希望を持っていてほしいと思います。
本音を言い合って距離を縮めていこうということですね。
ありがとうございました!
「2人で取り組む」をテーマに絵本の紹介をお願いしたところ、まどかさんは『しろいうさぎとくろいうさぎ』、むっちさんは『ぐりとぐら』(2冊とも福音館書店刊)を選んだ
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この記事を編集した人
ほんのまともみ
やる気ラボライター。様々な活躍をする人の「物語」や哲学を書き起こすことにやりがいを感じながら励みます。JPIC読書アドバイザー27期。