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仕事・働き方
2020.10.21
ヒロシ
芸人兼ソロキャンプYouTuber
1972年生まれ、熊本県出身。九州産業大学商学部商学科卒。ピン芸人として「ヒロシです。」からはじまる自虐ネタで大ブレイク。2015年より趣味であるソロキャンプの動画を配信。「ヒロシちゃんねる」の登録者数は99万人を突破。初のキャンプ本『ヒロシのソロキャンプ』(学研プラス)は累計発行部数 7万部を突破!2020年にはオリジナルキャンプブランド『NO.164』を立ち上げた。
ヒロシちゃんねる
――ヒロシさん、「やる気ラボ」は「やる気の出る毎日をつくる」がテーマのメディアです。まず、「やる気」についてどのようなイメージがありますか?
やる気ですか。正直めんどくさいですね。
やる気ってでないですよね。ぼくにはやる気はないですよ。
「やんなきゃいけないな」ってことでスイッチ入れてきただけです。
「欲」はありますからね。小さいことでいえば「ご飯食べたい」とか。
そのために「しかたないからやるか」って動くだけです。
――いきなり衝撃的な発言でした。でも「芸人になる」と決めた時は高い意欲があったのでは?
その目標をもった時も「よし、やるぞ!」みたいな積極的な姿勢はなかったです。
芸人になるためにまず芸能事務所に電話しないといけなかったんですけど、内向的な性格の自分にはなかなか勇気のいることで。でもかけてみないことには何も始まらないじゃないですか。「しょうがないよなぁ」って気持ちでかけましたよね。
どうもぼくは「目標を達成するためにしかたないから」の連続でやってきたような気がします。
――今度はその目標に向かっていく過程について聞きたいです。若い頃と今では「これがあるから頑張れる」に変化はありましたか?
そうですね。昔と今ではまったくちがいます。
若い頃は、とにかく売れたい・売れてちやほやされたい・いろんな人を見返したい・地位とか名声を手に入れたい、そういったことが自分を動かしていました。
――人にどう見られたいかを考えていたんですね。
今はそうじゃありません。
ぼくは一度売れて、テレビは性に合わないなと思ってその世界を離れたんですが、テレビに出なくなると世間からバカにされるようになりました。今度はそれを見返そうと躍起になったんですが、だんだんどうでもよくなってきて。
で、好きなことやろうってキャンプを始めて、思い出を残すぐらいの気持ちで撮影した動画をYouTubeで流したら思いのほか反響が大きかった。「これからは自分が楽しいと思うことをやって生きていこう」って考えが変わったんですよね。
最初の投稿動画
最初の動画の投稿メッセージ。5年前から今日に至るまでコメント欄は、「楽しそう」「仲間同士の会話がいい」「生き生きとしている」など盛り上がっている。
――今は自分の声に耳を傾けられていらっしゃる?
そうですね。
一番の理想は、好きなことを自分の考えで極力少ない人でやって、できるだけストレスがない生き方をするということです。決してなまけたいと思っているわけじゃないんですよ。
仕事って楽しい疲れと理不尽でイヤな思いをする疲れがありますよね。その理不尽な部分をなるべくなくしていきたいんです。そしていいものだけ残す作業をする。
キャンプで注目されるようになってから、キャンプの道具を作る仕事なんかもしているんですけど、すごく楽しいんです。そうやって一つひとつ楽しいことを増やして、やる気になれる毎日を作っていこうというのが今の動機づけですね。
――ストレスなく生きる…誰もが抱く夢だと思います。ただ、ストレスがない世界を望む一方でその過程には大きなストレスがかかるものではないでしょうか。
たしかにストレスのない世界に到達するにはストレスがかかりまくります。特にぼくは人前にでる仕事をしていますから。まあしょうがないことですよね。そもそも、ストレスがない世界を望むって究極のわがままだと思います。
最初の話に通じますけど、行動を起こすことはめんどくさいんですよ。めんどくさいけど、望むことがあるから「しかたない」。
でも何事もやってみないとわからない。やってみたらそれなりに楽しいことはある。ぼくの経験でいうと、9%キツイけど1%ぐらいは楽しいです。ぼくはその1%のために生きてますね。
――「しかたない」はもはやヒロシさんのスイッチなんですね。でも「しかたない」なんてネガティブ思考でなぜ努力が続くんですか?
最終的な目標がブレないからですよ。
「なんのために?」をいつでも見失わない。自分で決めたことだから「やんなきゃ」の気持ちが強くあります。
そういえば昔、「しかたないなぁ」で始めて熱が入ったことがありましたよ。
今でこそぼくはYouTuberなんて肩書きですけど、ネットとかパソコンとかに明るかったわけじゃないんです。今の若い人たちのように子ども時代からパソコンをさわっていた世代じゃないですしね。
そんなぼくが芸人としてブレイクする前、食べていくための手段としてパソコン入力のバイトを選んだんですよ。キーボードを指1本でたどたどしくしか打てなかったのにね。
面接行って、「打てます」って嘘ついたんです。そしたら採用で、「打てないところ見せられないよな。はぁ、しかたない」って漫画喫茶でパソコンの練習をしました。結果、ブラインドタッチができるまでに。
――「しかたない」でそこまで!
できないところを見られたくなかったですからね。手元を見ないでも難なく入力できるようになりましたよ。
その時は、指1本でしか打てなかったのが両手で操作できるようになって、自分に自信がついていくのがわかりました。パソコンって使い方を覚えるとほかのことにも活かせますし、今思えばやりながら意欲がついていったんじゃないかな。
おかげで「YouTubeをやってみよう」と思った時も抵抗なく取り組めました。
――目標のためには思い切りやるんですね。思い切りといえば、昨年ソロキャンプのために山を買われていますよね。
あれもやる気満々な気持ちからではなかったですよ。
普通のキャンプ場に行って「ヒロシじゃない?」って気づかれるのがイヤで、そしたら自分専用の場をもつしかないなって。
はたからは自由に生きてるって見えるでしょうね。言っときますけど、相当大変ですよ。
自分の山を手に入れたといっても、キャンプできるスペースはごく一部だし、そこも快適に過ごすためには草刈りしないといけない。やることはたくさんあります。
それでもストレスなくキャンプしたいという目標があるから。まわりに「あの人、ヒロシじゃん」ってひそひそ言われる環境に耐えるよりは、理想のために努力するほうがいいんです。
――最後にヒロシさん、これまでの経験からやる気のない人にどう声をかけますか?
いや、やる気ない人にやる気だせっていってもムリなんですよ。だってやる気ないんでしょ?だったらやらない。どうしようもないです。
ただ…
小さくても、心の中に何か「やりたいこと」が絶対あると思う。それを自分なりに実行してみればいいんじゃないですか。動いてみれば何か別の目標が見つかるかもしれないしね。やっていくと、「どんなことができるんだろう」って楽しみもでてくるでしょ。
ちょっとずつでも、たまにでも、スイッチ入れてみれば。「よーし、やるぞぉ!」と大きなスタートを切らなくてもいいんじゃないですかね。
自分が動けなくて人をうらやんだりねたんだりするぐらいなら、「しかたなく」でもとりあえず動いてみたらどうですか。
――ヒロシさんらしいお言葉ですね。ありがとうございました。
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応募は締め切りました。ありがとうございました。
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この記事を編集した人
ほんのまともみ
やる気ラボライター。様々な活躍をする人の「物語」や哲学を書き起こすことにやりがいを感じながら励みます。JPIC読書アドバイザー27期。