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目標設定理論はアメリカの心理学者ロックや、同じくアメリカの心理学者レイサムらが中心になって展開したモチベーション理論(動機づけ理論)です。ロックは目標設定理論で、モチベーションはどのような目標を設定するのかによって変化すると主張しました。特に目標が困難であること、目標が具体的であることがモチベーションの向上には重要だと彼は考えました。
また、困難で具体的な目標に加えて、業績へのフィードバックがあれば更なる効果が期待できると主張しました。
目標設定理論では、難易度の高い目標を設定することがモチベーションのアップにつながるとされています。高い目標はそれを達成するために、高いレベルの働きが必要です。そのため、高い目標を設定することで、自然と努力や工夫が誘発されるのです。
ただし、難易度の高い目標を設定する上で注意しておきたいことがあります。本人が目標を受け入れていること、納得していることが困難な目標を設定する上での前提条件ということです。達成不可能と思われる目標の場合、モチベーションが低下することも考えられます。
具体的で明確な目標も、モチベーションの向上に役立つと考えられています。曖昧に「ベストを尽くせ」と言われるよりも、例えば「月間売り上げ目標300万円」「週100個生産」というように、具体的な目標がある方がやる気が出やすいとされています。
ただし、具体的で困難な目標は本人に知識または能力がない場合は、逆効果になることもあると考えられています。学習中の人の場合具体的で困難な目標が設定されると、知識や能力がないゆえにあまり有益でない戦略を次から次へ試してしまうことがあり、これが非効率性を生んでしまうからです。
この場合は、課題に対して理解のある指導者あるいはリーダーを用意することが有力な解決策です。それがどうしても不可能な場合は、(学習中の人に限ってですが)「ベストを尽くせ」というようなあいまいな指示のほうが、迷いが減って良いとされています。
目標設定理論では業績に対してフィードバックがなされると、よりモチベーションがアップすると考えられています。また、フィードバックがなされると、それがまた新たな目標の設定を誘発し、それが結果としてさらなる業績につながるとされています。
例えば「一か月に100台洗濯機を売る」という目標を立てたとします。2週間が過ぎたところで、「今40台売れているからペースを上げるために新しい方針を立てよう」「今70台売れているからこのままのスタイルでいこう」といったフィードバックがある場合と、何台売れたのかがはっきりとわからずこれといって方針もない場合では、前者のほうがより大きな成果につながるというのが基本的な考え方です。
気を付けておきたいのはフィードバックの結果、目標があいまいになってしまったり、過度に簡単になってしまったりすると、モチベーションアップ効果が下がる可能性があるということです。先ほどの例でいえば、「今30台しか売れていないから、できるだけ多く売ってほしい」というようなあいまいな目標や、「今30台しか売れていないけど、ほかの商品の売れ行きがいいから、あと5台だけ売ってくれればいい」というような過度に簡単な目標だと、効果が薄れてしまうということです。
また、効果的なフィードバックを行うタイミングとしては、次の二つがあると考えられています。
・フィードバックを早めに行う
・進捗の遅れが出てきた段階でフィードバックする
「誰に」「いつ」フィードバックを行うかを考える際はこの2点を念頭に入れておくと良いでしょう。
最後に目標達成理論のポイントを3つおさらいしておきましょう!
ポイント1:目標設定理論とは、「モチベーションはどのような目標を設定するのかによって変化する」という理論
ポイント2:モチベーションを上げるには「困難で具体的な目標」が有効
ポイント3:適切な「業績へのフィードバック」があればさらなる成果やモチベーションのアップにつながる
このほかの動機づけ理論については以下の記事をご覧ください !
〈参考文献〉
ゲイリー・レイサム『ワーク・モチベーション』(NTT出版)
角山 剛『モティベーション管理の理論的背景』(日本労働研究雑誌 422号)
この記事を書いた人
ミズタ
やる気ラボライター。趣味は映画と音楽。インタビューとコラムをメインに書いています!