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仕事・働き方
2020.04.30
1983年11月6日生まれ。神奈川県川崎市出身。5年前から配信活動を始めると、料理や歌、メイクや大食いなど多様なジャンルの企画で人気を集め、配信サイト「ツイキャス」では8万人超のサポーターを獲得。自身もトランスジェンダーとして偏見の目に苦しめられた過去があり、性に関する相談を受けることも多い。夢は、ハリウッドで女優デビューすること。
Follow @nana_fujisawaやる気ラボの勝部です。
前回は、配信者のコレコレさん※を紹介しました。今回は、同じく配信者として人気を集めている藤沢ななさんにインタビューします。藤沢さん、本日はよろしくお願いします。
※【関連記事】コレコレはなぜ人気配信者になれたのか。成功の裏にあった確固たる自信
よろしくお願いします。
さっそくですが、藤沢さんのお仕事内容について教えてください。
毎朝7時から11時までの4時間、ライブ配信サイトの「ツイキャス」で生放送をしています。料理やメイク、散歩や雑談、大食いなど、内容はさまざまですね。
普段、夜は実家の飲み屋を手伝っているのですが、今は新型コロナウイルスの影響で店を開けていないので、最近では10時間を超えて配信することもありますよ。
10時間!すごすぎる…。
朝の7時というのもとても早い気がします。
ツイキャスは、21時~夜中がゴールデンタイムなので、逆に朝配信する人が少ない。5年前にそう思ってやってみたら、やっぱり需要があったみたいで視聴者さんが増えたんですよ。
仕事に行く前の人や、夜の仕事から帰ってきて寝る前の人、そういう人が見るのがちょうど7時という時間帯。朝のニュースのような感覚で見てもらっていますね。
視聴者さんはどういった人が多いのですか?
9割が女性ですね。LGBTの人たちも多いです。やっぱり共感できる部分もあるんだろうし、そういう人はどういう考えを持っているんだろうと興味本位で見ている人も多いんだと思います。
藤沢さんは、そもそもどうして配信をやってみようと思われたのでしょうか?
元々見る側だったんですけど、主婦だった時にたまたま暇な時間があったので「自分もやってみよう」って試してみたんです。そこからですね。
お家にいるのに、携帯一つでいろいろな人とコミュニケーションをとれるというのが画期的じゃないですか。初めの2年間は投げ銭などの機能もツイキャスになかったので、完全に趣味でやっていました。
2年間も趣味だけで毎朝欠かさず続けるというのは、飽きっぽい僕にはとても考えられません。藤沢さんの場合、夜のお仕事もしてさらに朝もとなると…。大変だと思ったことはないのでしょうか?
逆に、やらないと体調不良になってしまうんですよ(笑) 最初は大変だったけど、今では配信がライフスタイルになっているんです。 歯を磨いたりお風呂に入ったりするような感覚で配信していますね。
体調不良にまで(笑)
また、毎年全国のいろんなところに行くんですよね。旅行もかねてファンとの集いをするんです。今年の1月には北海道に行きました。観光地を回りながら配信したりすることもありますよ。
藤沢さんにとって、生活と配信はもはや同じものなのですね。
でも、生活の様子を出しすぎるのは少し怖いことのように感じます。これまで恐怖を感じるような経験はなかったですか?
怖い経験、結構ありますよ。
今はもう慣れちゃったんですけど、知らない人にいきなり写真を撮られたり、変な郵便物を届けられたり、頼んでもないピザ10枚の出前がきたり…。突然、家にやってきちゃうリスナーもいますしね(笑)
えぇ。めちゃくちゃ迷惑な話ですね。
まあ、こちらから発信しているので、ある程度は仕方ないですよね。
それに、悪いことばかりじゃないんですよ。ツイキャスには「キートス」というクラウドファンディングのような機能があるんですが、その機能を使ってファンの皆さんに100万円をカンパしてもらったことで、この家に引っ越してこられたんです。
そんなこともできるんですか!ファンにとって藤沢さんが身近な存在だからこそ、「お金を出したい」と思うのでしょうね。
今では生活のほとんどを包み隠さずに配信している藤沢さんですが、自分がトランスジェンダーであることを隠して生活されていた時期がありました。藤沢さんが、自分は女の子だと自覚されたのはいつ頃だったのでしょうか?
最初、男性はみんな男性が好きになるものだと思っていたんです。だから、男と女が結ばれるということは考えてもみませんでしたね。
幼稚園児くらいの時から周りが違うことに気付き、成長するにつれて「あぁ、違うのは自分なんだ」と思うようになりました。自分と同じような人は周りにいなかったし、言っちゃダメなことなんだと…。親にも言えず、ずっと黙っていましたね。
どうして「言っちゃダメなこと」だと思われていたのですか?
小学生の時に、すごくいじめられたんですよ。「おかまー!」と言って、上履きに画びょうを入れられたり、教科書を隠されたり、気持ち悪いとクラスの人に無視されたりしました。だから、「隠さなきゃ」と思ったんですね。自分を偽らないと、いじめられてしまうと思っていたんです。
つらい経験をされたのですね…。
そのような状況の中で、なぜカミングアウトすることができたのでしょうか?
高校生の時に彼氏ができたのがきっかけです。どうしても、そのことを親に話したくなったんですよね。「付き合っている人がいる。実はそれが男性なんだ」って、親に伝えました。
親御さんの反応はどうでした?
「え!そうなの」と。
でも、「あなたの人生なんだから好きなように生きなさい。人とは違っているかもしれないけど、自分を信じなさい」って、そういうふうに応援してもらえました。
ずっと藤沢さんを見守ってきた親御さんですもんね。
告白したことで何か変化がありましたか?
自分自身に嘘をついているような状態から、本当の自分を表に出せるようになって周りの環境も変わっていきましたね。
それからは、周りの友達にも言えるようになったし、堂々とできるようになりました。カミングアウトすることによって自信を持てたんですよ。
恐れずに自己表現していくことが自信につながった、と。
でも、やっぱり今とは時代も違うので、職場では言えなかったかな。
会社の上司に、無理やりピンサロ(男性向け風俗店)に連れていかれた嫌な経験もありますね。結局、女の子とお話だけして帰りましたけど(笑)
藤沢さんが動画配信を始めるまでには、さまざまな苦悩があったのですね。
藤沢さんは、配信を始めてすぐに自分を出せるようになったのですか?
いいえ。最初は顔を出さずにラジオ配信をしていましたよ。慣れてきたらマスクをして、名前を言わずに放送をして…(笑)徐々に徐々に、自分をさらけ出せるようになりました。
どうして出せるようになっていったのでしょうか?
やっぱり、視聴者さんの存在が大きいですね。続けていると視聴者さんが応援してくれるので、見せることに対して自信がついてくるんですよ。
なるほど。自分らしさと継続することが大切なのですね。
それでは改めて、配信の魅力について教えてください。
配信のおもしろさは、新しい人との出会いやいろいろな発見があることです。コミュニケーションが取れること、つながりあいが自分の「やる気」の源になっています。
具体的にどのような出会いや発見があるのですか?
例えば、ずっと連絡が途絶えていた昔の知り合いがたまたま放送を見てくれていて、それをきっかけにまた仲良くなれたことがありました。また、配信で知り合った人とお付き合いしたこともありますよ。
それはうれしいですね。
藤沢さんが今まで配信をやってきて、いちばん印象に残っていることはなんですか?
多摩川で配信していたら、うんち漏らしちゃったことですね(笑)
え…?
多摩川の周りって、トイレがないじゃないですか(笑)
配信をやっていると、そういうアクシデントやハプニングはたくさんあるんですよ。
普通の人だったら立ち直れないことだと思うのですが、それを笑ってネタにしちゃうのがすごいです。
つらくて辞めたくなった経験はないんですか?
元々「好き」から入っているので、辞めるほどつらかったという経験はないですね。自分をさらけ出すのが好きだし、自分の配信を待ってくれている人もいるので。
そういう人たちがいる限りは、つらいと思うことはないんじゃないかと感じています。
やっぱり、認めてくれる人たちの存在が大きいのですね。
最後になりますが、「やる気が出ない」「自信がない」といった悩みを抱えている読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。
リアルじゃなくても、自分を発信できる場所はたくさんあります。ツイキャスやYouTube、SNSなど、今はすごく便利なものがたくさんあるので、そういうものを活用していくべきだと思いますね。
藤沢さんがそうだったように、怖がらずに自分の意見を発信していくのですね。
そうです。自分の意見を発信していけば徐々に自信がついてくるので、「やる気」も出てくるんだと思います。
ダメになった時のことを考えるのではなく、まずは毎日がむしゃらにやってみる。「恐れを知るな、前に進め。とりあえず進め!」と、言いたいですね。
ありがとうございました!
これからの藤沢ななさんの活躍を期待しています。
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この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
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