新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2020.04.15
2003年、SOULʼd OUTのメインMCとしてシングル「ウェカピポ」でSME Recordsからデビュー。⾼速ラップやユニークな歌詞、⼀度聴いたら忘れられない曲調が話題となり、発表するシングルは常にオリコンチャートの上位を獲得した。SOULʼd OUT解散後は、ソロ活動として2枚のオリジナルアルバムとベストアルバムを発表。2020年2⽉にはViRCAN DiMMERとしてアルバム「HOROSCOPE」を発売。「ヒプノシスマイク」や「Kis-My-Ft2」等へのサウンドプロデュースも精⼒的におこなっている。Diggy-MO’オフィシャルウェブサイト
Follow @Diggy_staffやる気ラボの勝部です。
本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
さっそくですが、Diggy-MO’(以下:Diggy)さん。
Diggyさんはどうして、ラッパーになろうと思ったのでしょうか?
⼤学の在学中に組んでいたバンドで、⾃分も試しにラップをしてみたら周りの反応がよかったんですよ。そこからラップするようになったかな。
でも俺、今までラッパーだと⾃覚したことは⼀度もないですよ(笑)
え…?ラッパーじゃないんですか!
The FugeesやTHE ROOTS が元々好きだったっていうのもあるんだけど、ラップは⾳楽の⼀部として取り⼊れている感じ。だから、ラッパーになろうと思ったことは今まで⼀度もないんです。
ラップは音楽の一部…。確かに、Diggyさんの音楽はジャンルレスで「Diggy-MO’」という枠組みでしか語れません。
それでは、いつから音楽を職業にしたいと考えていたのでしょうか?
もともと、⾳楽にいくか美術にいくかの⼆択かなと思ってて。
⾼校の時は美術にウェイトを置いていて、⼤学もデザイン科に⼊ったんですけどね(笑)
そうだったんですか。
それでは、大学でのバンド活動を経て、本格的に音楽への道に進むことを選択されたわけですね。
Shinnosukeと知り合った頃、彼が「⼀緒にユニットやろうよ」と、積極的に何度も誘ってきてくれたんですよね。
当時の事務所を介して彼に初めて会ったときは、本当にビックリしましたよ。「今⽇、デモテープ持ってきてくれた?うち来るでしょ?俺も聴かせたい曲あるんだよ。」みたいな感じで、驚くほどフレンドリーだった(笑)
Shinnosukeさんが?少し意外な気がします。
もちろん嬉しかったんだけど、俺ね、ゆっくりが好きなんですよ(笑)⼈付き合いは時間をかけたいタイプというか。恋愛とかもそうだけど、パッとくっついてパッと離れるってのが苦⼿で、ある程度プロセスを経て何かしら覚悟を持った上でちゃんとやっていきたいというのがあって。
だから、ちょっと慎重になっちゃったね。ちゃんと「お付き合い」する(ユニットを組む)までに1年くらいかかった(笑)
そうだったんですか(笑)しかし、そこから※Bro.Hiさんも合流し、15年間のSOUL’d OUT活動がスタートするわけです。
Diggyさんにとって、SOUL’d OUTでの活動(1999~2014:休止期間を含む)で、もっとも思い出深いことはなんですか?
※【関連記事】Bro.Hi(元SOUL’d OUT)が語る現在地「今、やりたいことを夢中に」
う〜ん………。
ソニーのオーディションかな。事務所に⼊る前、SOULʼd OUTがまだ3⼈のものだった頃が、やっぱりいちばん思い出深いですね。
DiggyさんはSOUL’d OUTで活動されている当時から、音楽の枠組みにとらわれない自らのスタイルを確立してこられました。
誰にもマネできないDiggyさんのその発想は、 どこから生まれているものなのでしょうか?
「作ること」っていうのはイマジネーションなんだよ。想像力が爆発的じゃないと、絶対おもしろい作品はできないと思っています。
自分の場合、あらゆるイマジネーションの集合体が、⼀個の作品に爆発するという感じですね。
火星人と恋をする「MARTIAN MARTIAN」、インド音楽を取り入れた「ハニーチュー」などは、確かに想像力の爆発を感じざるを得ません。
そんな「イマジネーション」はどんなときに爆発するのでしょうか?
年がら年中ですかね。
俺ってたぶん、妄想⼒が強いんですよ。ネアカでおめでたい性格というか(笑)想像⼒が爆発している時って、いろんなことがなりふり構わずどうでもよくなる。
例えばさ、好きな⼈ができるとそういう感じになりますよね?あの気持ちを、曲の制作に対して常々抱いている感じかな。
なるほど。曲作りは恋心と同じ…。
よくよく考えると変な話だね(笑)
それでは、SOUL’d OUTの解散後も作曲に対する「やる気」を失うことはなかったのですか?
俺にとってSOULʼd OUTはずっと⼤切にしてきたものだったから、解散後は⼤きな喪失感があった。
ただ、⽇々⽣まれてくるイマジネーションが⽌まるということは決してなかったんです。SOULʼd OUTのことは当然重んじているけれど、「やる気がなくなって曲が作れない」というのは今のところまったくないですね。
ファン⽬線からすると、⼤変嬉しいです。
そこはメジャーだろうがインディーだろうが、SOULʼd OUTだろうがソロだろうが関係ないから。⾃分の背景が変わったことに、あまり左右されることのない性格だと思います。傲慢な⾔い⽅をすると、そこは⾃分のブレない「強み」ですね。
それでは、近々のDiggyさんのリリースを期待しても良いということでしょうか?
近々かどうかはわからないけど(笑)
そもそも曲を作ることに対して、リリースをゴールにしてないんですよね。
それはどうしてでしょう?
結局、単純に⾳楽が好きで作っているっていう感覚が強いのかな。
そして、リスナーのみんなはいちばんの理解者で、いち早く聴いてもらいたいし、それが楽しみなんだけど、無理して急ぎ足でそこに寄せていくものではないと思ってて。誤解を恐れずに⾔うと、「これはみんなのために」みたいな、ある意味イージーな⼿段は、俺にはできない。
⾃分の世界観に深く共鳴してくれた⼈たちだからこそ、無理して⾃分を⾒てもらうような安易なことはしたくないんです。
ファンは、Diggyさんの渾身の作品を聴きたいはずです。
うん。俺⾃⾝も、まずは⾃分と、そしてリスナーのみんなと築いてきたものを信じて、大事にしたいです。
最近は、「ヒプノシスマイク」や「Kis-My-Ft2」など、サウンドプロデュースもおこなっています。今後は、こういったプロデュース活動も精⼒的に続けていく予定ですか?
そうだね。プロデュース活動も、機会のたびに充実させていきたいと思っています。
今まで⾃分が⾃分をやってきた年⽉だったので、今後は⾃分以外の歌い⼿の⼈たちもプロデュースできて、開花されていない部分のきっかけになれればうれしいですね。
Diggyさんは、昔から「プロデュース活動をしてみたい」というお話をされていました。
どうしてこういった活動に興味があるのでしょうか?
たぶんデザイナー気質という⾯もあるんですよ、俺。
美⼤のデザイン科に通っていたこともあって、⾃分がやりたいことをワーッとやること以外にも、既存のものに⾊づけしていくような、組み⽴てるようなことも好き。「⽬的があるベスト」に持っていくのがいちばんだと思っているんです。
目的があるベスト…?
⾃分の好みではなく、その物事にいちばん適した⾊付けをするということ。
メイクに例えるとわかりやすいかな。
俺は、⼥の⼦に⾃分の好みのメイクを施すんじゃなくて、その⼦に似合うメイクを探したい。その⼦がもっと良くなると思ったら、⾃分の好みはけっこうあっさり切り捨てますね。
なるほど。その人が本来持っている力を、より際立たせるプロデュースがしたいということですね。
そうですね。
アーティストでもアイドルでも、その人に適したことをやる。その中で、新しい⾵を吹かせてあげられれば。そういうデザイニングみたいな組み⽴ても昔から好きなんですよね。
………⼤学そんなに⾏ってなかったけど(笑)
そうだったんですね(笑)
同じことは、曲作りに関しても⾔えることなんですよね。こっちの⽅がこの曲に合うと思ったら、好みは切り捨てる。装飾のプライオリティとして、「好み」は選択肢のいちばん最後。究極のこれかこれかで迷った時に、ようやく⾃分の好みを使う感じですね。
それでは、完全に⾃分の好みだけで作った曲というのはないのですか?
これがね、仕上がってみると好き嫌いとか関係なくぜんぶ愛せるんですよね。⾃分の思う⽬的にたどり着くと、それがタイプじゃなくても好きになれる。だから、あんまり好き嫌いでやっていなくても⼤丈夫。結局好きになれるからって。
曲はDiggyさんの⼦どもたちなのですね。
ところでDiggyさん。
Diggyさんって、ここが他の⼈と違うなって⾃分で感じるところがありますか?
これね、今でもたまに悩むことがあるんですよ。
…いや、悩むって、そんな深刻なことじゃないんだけどね(笑)
えぇ、気になります。
なんか自分は、他の⼈と「興味のポイント」が大きくズレているなと感じるときがあるんですよ。ふとね。
それはどういったところで?
音楽でも映画でもあるよ。好きな対象は同じだったとしても、人が関⼼があったポイントとの大きなズレが!みたいな(笑)
ふむふむ。
「ここでこうくる?!」「流れの中での意外性やばい!」みたいな感じで、俺一人で盛り上がってたり(笑)
おもしろい(笑)
それは学⽣時代からですか?
うん。だから、たまにみんなの前であまりに甚だしく変なこと言っちゃって、ポカーンとされたりした(笑)
そういうことが、まあまあ細かいものだとたくさんあり過ぎで。
でも、⼈が⽬をつけないところに⽬をつけられるのは才能だと思いますよ。
そうかなぁ。でもさ少し悩みますね、たまにだけど。
あっ、俺は「quater5」が好きなんだけど、みんなからは「MUZiiKFVCK」の⽅が受けがよかったり、とかさ(笑)
(笑)
「悩み」という話がありましたが、これまでの活動の中でいちばんキツかったり苦しかったりしたことってなんですか?
え、ピアノのお稽古。
え?(笑)
俺さ、3 歳の頃からピアノをやってたんです。他には、⽔泳とお絵かき教室に通ってたんだけど、ピアノがやっぱり超嫌だったんですよね。
本当にヒーヒー⾔いながらやってた感じ。サボって⾏かないこともあったんだけど、バレると親に怒られるんですよ。そりゃそうだ(笑)
そうだったんですか!
しかし、今はそれがお仕事になりましたね。
今は、続けてて良かったと思っていますよ。
嫌なことだったのに、どうして続けてこられたのでしょうか?
それは、やらされてたから辞められなかっただけ(笑)
なるほど(笑)
でもさ、好きなことでも続けるのって難しい。節々で思うんだけど、「好き」を続けるためにも努⼒が必要なんだよね。
わかります。ずっと好きなことを好きでいるのって、簡単なようで難しいです。
そう。好きなことを好きでいるために、努⼒を強いられる場⾯が必ずくるんですよ。
例えば、『耳をすませば』の月島雫も、好きな小説を書くために鉱物を調べることになる。一見関係ないようなことを習得する工程とか、必ず出てくるんですよね。
確かに、やりたいことが深くなればなるほど、あらゆる工程も増えてきます。
そういう壁って、いろんな場面で形を変えて何度も何度もやってくるんだけど、その壁を乗り越えるたびに、さらに没頭できるようになる。⼈と⼈との関係もそうですよね。好きなところばっかりじゃないけど、そこを理解し合えるともっと好きになったりするじゃない。
いつでも⾃分の「wanna」だけではダメなんだ。
なるほど。 確かにそうですね。
「ストレス社会」といわれる昨今、他⼈の⾔葉に傷つきやすい人が多いです。
Diggyさんはどう思っていますか?
ね。引きこもっちゃう⼦とか、思い詰めてしまう子もいますよね。あれってどうしてなんだろう?
SOULʻd OUTもデビュー当初、同業者の⽅々やそのファンからの⾵当たりが強かったという印象がありますが、そういうとき、Diggyさんはどうしていましたか?
確かに、ディスられたりもしたんだろうけど、そこまで何か思わなかった。本当に「どうでもいい」というか(笑)
それはどうしてでしょうか?
「ダサい」と⾔われたら、「そっか、ダセえのか」と⼀応は思うけど、それだけですね。⼈の感情に振り回されてやっていないからというのがいちばんの理由かな。
「⾃分のやり⽅についてきてくれるファンが⼤事」というスタンスなんですね。
「quater5」じゃなくて、みんなが「MUZiiKFVCK」なんだったら、そこはじゃあやろうかなって感じ?(笑)
(笑)
最後になりますが、今、息苦しさを感じている⼈たちに何かアドバイスはありますか?
周りの⾔葉でも「聞くべきもの」と「無視すべきもの」があるから、そこをちゃんと⾒極めるべきだと思います。
どういったものが無視すべき⾔葉なのでしょう?
「アドバイス」といいながら、他⼈と⽐較する⾔葉を使う⼈。例えばさ、「Aさんはできているんだから君にもできるはず」という⾔葉は信じなくてもいいと思うんですよ。
⽐較する⾔葉、ですか?
うん。真剣に⾃分のことを考えてくれる⼈は、絶対に⽐較対象を持ち出さないと思うんですよね。本当に親⾝になってくれる⼈は、「その⼈のベストは何か」ということを考えてくれるはずだから。
そこを⾒極められるようになれば、だいぶ楽になるんじゃないかな。
とても為になるお話をありがとうございました!
今後のDiggy-MOʼさんの活躍を期待しています。
\ Diggy-MO’さんをフォローしよう! /
\ ライターをフォローしよう! /
あわせて読みたい
新着コンテンツ
この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
Follow @kotakatsube