新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2021.01.22
1997年生まれ。東京都出身。アーティスト。15歳の時にニコニコ動画へ投稿した楽曲で注目をあつめ、2015年『DAOKO』でメジャーデビュー。その後も米津玄師との『打上花火』、岡村靖幸との『ステップアップLOVE』など、実力派アーティストとの共作を行いつつ、ソロとしての個性も強めている。小説の執筆、写真と絵の初個展の開催、自主企画ライブイベントの主催や、あらたなバンド形式でのツアーを成功させるなど、多様なクリエイティヴ表現を続け、国内外で注目を集めている。2019年には個人事務所“てふてふ”を設立し、昨年には4thアルバム『anima』を発表。DAOKO OFFICIAL SITEはこちら
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やる気ラボの勝部です。
Daokoさん、本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
早速ですが、Daokoさん。
Daokoさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。
小学生のときに、インターネットに出会ってはまったのがきっかけですね。
特にニコニコ動画では、日替わりで上がってくる動画やランキング、ボカロの音源や○○やってみたなど、いろいろなジャンルが見られる。その多様性におもしろさを感じました。
また、プロかアマチュアかを問わず投稿できるのも魅力的でした。やりたいと思った人がいつでも自由に投稿できる。音楽は、そういったインターネットの魅力と共にひかれていきました。
「自分もやってみよう」とスイッチが入ったのはいつですか?
音楽の投稿を始めたのは中学2年生のときです。
その時期は学生生活があまりうまくいっていない環境下にありました。同級生にも友達はいたのですが、当時は学生生活よりもインターネットの向こう側の友達と交流している方が好きでしたね。年齢や性別を気にせず、趣味について語り合える壁のなさ。私にとって、インターネットの方が心地よい居場所だったんです。
コミュニケーションの一環として投稿を始められたというわけですね。
それでは、当時から音楽は得意だったのでしょうか?
経験があったわけでも、歌が得意なわけでもなかったんですけど…。
インターネットって、検索したら何でも出てくるじゃないですか?DTMの使い方とか録音方法とか。独学でもデモ程度なら作れるんだということを知って、じゃあ自分もやってみようと。そんな、軽い気持ちですね。若さゆえの勢いというのもあるかもしれません。
当時は女性でラップしている人が今ほど多くなかったので、「二番煎じじゃないところが注目されるかもしれない!」という思いもありました。
それでは、投稿を始めてすぐに「これで生きていこう」と思われたのですか?
まったくそんなことはありません。
小さい頃から絵を描くことが好きだったので、高校生くらいまでは絵の仕事につきたいと考えていました。それ以外はあんまり考えていなかったというか、やれることが絵だけなのかなって思っていたんですよ。
でも、音楽を作っていくうちに、もっと音楽が好きになっていったことに加え、「自分は自己表現をすることが好きなんだ」ということに気づいたんです。音楽や絵にしてみても創作というものは自由度が高いので、自分なりの表現方法で両方続けていければいいかなと思うようになりました。
現在も、Daokoさんは音楽活動の傍ら、絵画や小説など多様なクリエイティヴ活動をおこなわれていますね。
音楽と絵ってつなげられるんですよ。自分でCDのアートワークを描いたり、MVの絵コンテを描いたり、服や衣装を作ったり…。
一応「アーティスト」と名乗ってはいますけど、今でもちゃんと肩書は決まっていない。マルチな方が、自分の性格と能力にあっているのかなと思っています。
絵画や写真の個展を開催するなど、Daokoさんの作品は各方面で高い評価を受けています。
音楽を作って絵を描いて…。
Daokoさんが、幼い頃からの夢をかなえられた理由はどこにあったと思いますか?
小さい頃の夢は忍者でしたよ?
ええ?!(笑)
まぁ、幼稚園までですけど(笑)
というのも、私は昔からあまり未来について考えるのが得意ではなくて、なんとなく直感的にやりたいと思ったことを自身の感覚に従ってやってきただけなので…。「夢を追いかけてこうなりました!」という感じではないんですよね。気が向く方向に、とにかく行動し続ける。その結果が今という感じなんです。
それでは、ここまでの道のりでつらい思いをしたことはなかったのですか?
つらいこともありましたよ。メジャーデビューしたのが17歳の時なんですけど、恐ろしいほど世間知らずでしたから。いわば高校1年目が社会人1年目みたいな感じで社会の中に飛び込んで、でもほんわりふわふわしていましたね。明確な意思というものがあまりなかったような気がします。
高校にも通っていたので、みんなが部活動をしている時にそういう活動をしている感覚というか、それくらいの思いでやっていました。
なるほど…。
そういう意味では、最近ようやく自我が芽生えた気がするんです!「これが大人になるってことか」って思うことが増えてきたんですよ。
それは、いろんな人の目に触れたりとか、いろんなところに行ってライブしたりとか、いろんな人に会ったりとか…。経験を積んで、「ぼんやりしていたらダメなんだ」という学びがあったからこそだと思うんです。社会の輪郭が、ようやくはっきりとわかるようになってきた感覚ですね。
やはり、何事もたくさん経験することが重要なのですね。
このお仕事特有の大変さなどはありませんか?
そうですね…。根本は、私もみんなと変わらないと思います。
いるところがちょっと特殊な位置というか、社会のパーセンテージ的には少ない職業だという自覚はありますが、働くという意味では変わらないんで、みんなと同じ気持ちですよ。だって、私もスーパーのタイムセールで買い物するし!みたいな(笑)
そうなんですね!(笑)
ただ、ステージに立つときはステージの人として、オンオフは切り替えるようにしていますね。
また、自分の中にこういう風に見せたいなというDaoko像があるので、それに基づいてSNSや目に付くところは気をつかう。それは、表現活動をする上でやらないといけないことだと思っています。
いつも見られることへのプレッシャーなどはないですか?
ありませんよ。自分が、勝手に想像してやっているだけなので。
ただ、人間関係においては、想像力がいちばん大切なんですよね。そこは、自分のなりたいものとファンに求められるものを想像し、すり合わせて表現するようにしています。
Daokoさんが築き上げた「Daoko」という世界観。これはまさしく唯一無二のものですね。
Daokoさんの独特な表現方法や世界観は、どこから生まれるものなのでしょうか?
私にとって、表現することが新陳代謝なんです。寝る前に心がザワザワしてきたから絵を描こうみたいな、悶々とするエネルギーを何か可視化できるものにすることが好きというか…。その方が健康的なんですよ。新陳代謝ですからね!
作ることでスッキリするし、嫌だったこともうまく咀嚼できる。さらに、それを聴いたり見たりしてくれた人が、心を動かしてくれる。私が作品を作ることで人を傷つけることはないので、創作活動は良いことでしかないと思うんです。
なるほど。素敵な感情の連鎖ですね。
音楽って、聴かなくても生きていける。でも、あったら少し幸せになれるスパイスなんです。私は、そういうものって素敵だなって思うんですよ。
私自身、創作することで他人の気持ちに寄り添える気がするんです。他の人には決してなれないけど、理解することはできる。見えている色とか、心の痛さとか、傷の深さとか完治までの時間とか…。そういうのがわかれば、この世界ももっと優しい世界にできると思うんです。
そういうところに、創作に対する希望を感じますね。
勝手な印象ですけど、最近のDaokoさんの曲は以前よりも明るい気がします。
10代の頃は、「私の傷口を見てください!」みたいな音楽が多かったんですけど、最近は「自分を救えないものじゃないと他人は救えない」という明確な意思が生まれました。私の音楽が、少しでもささやかな光になればいいなと強く思います。
Daokoさんの音楽や姿勢に、心が救われたという人はたくさんいることでしょう。
今後の目標や、こうなりたい自分などはありますか?
海外のファンの方も多いので、日本ならではの音楽をもっと伝えていければいいなって思います。
現在のバンドメンバーも、本当に一緒にやりたい人と出会うことができたので、音楽をもっともっと楽しんでいければ、と。
今月末には、昨年リリースのアルバム『anima』を携えたライブが開催予定ですね!
あとは、子どもが好きなので、保育要素がある創作をしたい。常に私の中に「子ども」というのがテーマにあるので、成長に良い影響を与えるような作品を作れたらいいなって思います。
え、子ども?
はい。子どもってすごいんですよ。想像力に歯止めがないというか、自由な発想にあふれている。コロナ禍で殺伐とした雰囲気も感じる中で、子どもって変わらずキラキラしているじゃないですか。彼らから学ぶことがたくさんあるんです。
実際に子どもたちと一緒に遊んでいると、「その色づかいすごいな」とかいろいろな発見があります。だから、子どもと一緒に遊べるコンテンツを作るというのも1つの目標ですね。
新しい挑戦ですね!
それでは最後に、「自分の好きなことを頑張りたい」「そんなやる気を出したい」という悩みを抱えている読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。
私も、表現できないとイライラしたり焦ったりすることがあります。そういうときは、例えば寝続けるとか、ただ「やる気のない状態」をあきるまで続けるようにしています。そうすれば、私の場合「寝るの飽きてきたな。頑張ろう」って状態になるんですよね。
あとは、自分が少しでも好きだなと思うものを年代関係なく追ってみたりすると、新しい発見があったりする。美術館やインターネットなど、さまざまなものに触れることで「やる気」が出てくるかもしれませんよ。
ありがとうございました!
これからのDaokoさんの活躍を期待しています。
Daokoさんの記事公開を記念して、Twitterにて抽選で1名様にサイン色紙をプレゼントいたします。
応募は締め切りました。ありがとうございました。
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この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
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