新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2022.09.15
荒木直美(あらき・なおみ)
1968年生まれ。長崎県出身。司会業をしていた2008年頃、「婚活」の言葉が世の中に広がり始めたのを機に「婚活コーディネーター」を名乗る。独自の恋愛&婚活レクチャーと実践プログラムが好評。フジテレビ「セブンルール」や全国紙「週刊女性」でもその職人技が紹介される。「目指すは日本の恋愛温暖化」をモットーに、現代の若者目線の出会いを創り、結婚を応援する。
ホームページ:荒木直美オフィシャルサイト|ラブカツ
YouTube:荒木直美の婚喝チャンネル
note:アロンアルファ荒木直美
――荒木さん、早速ですが「婚活界の瞬間接着剤」ってすごい呼び名ですね(笑)。
そうですね(笑)。他にも、「婚活界の松岡修造」とか「歩くカップル製造機」なんて言われることもあります(笑)。
――それほど人と人の縁を繋ぐのがお上手ということですね!
自分で言うのもなんですが、私がコーディネートさせていただく婚活イベントでは、カップル成立率が50%に達することが多いです。一般的には20%くらいなんですけどね。
――いったいどんな技を使われているのでしょう…?
技といいますか、とにかく全力で応援させていただきます!
そもそも結婚ってマストじゃなくて、してもしなくてもいいんですよ。ソロがいいならそれでもいいんです。婚活イベントでも「もし親御さんに言われて参加したんだったら無理しなくていいですよ」と伝えています。でも結婚したい人、したいのにひとりではきっかけがつかめないという人は放っておけない! ジムのトレーナーのように、世話を焼かせていただきます(笑)。
――具体的にどんなレクチャーをされているんですか?
個別にカウンセリングを行なったうえでまず、「結婚がゴールじゃない」ということや結婚後の人生についてお話しします。そうやってみなさんに各々のライフデザインを思い描いてもらうんです。
婚活って「人生の防災」ですから、先のことを想像したときにどこでどんな人とどんな暮らしをしていたいかや、親の介護や自分の不調など人生の壁にぶつかったときどうするかなどを考えることで、スタートを切ってもらいます。
そして一通り想像を巡らしていただいたところで、「先延ばしは自滅の刃!」とみなさんのやる気に火をつける(笑)。
――「先延ばしは自滅の刃」(笑)。
みなさんね、夏休みの宿題と一緒で結婚も何かと先延ばしにしがちなんですよね。結婚願望はあるのに「いずれは」という言葉がついちゃう。
最近「晩婚化」って言葉がありますよね。たしかに相手選びに取り掛かるのが遅い人が増えています。ただ、「晩婚化」という言葉に安心して引き延ばしにした結果、未婚化が進むという事態も起こっているんですよ。
また厚労省の「人口動態調査」に、結婚した人たちは何歳で結婚したかという結婚のピークがわかるデータがあるんですが、もう何年も結婚のピークは20代なんですよ。この事実を知ると、先延ばしにするほど結婚が難しくなって自分の首をしめてしまうことがわかりますよね。
――「晩婚化」をよく聞く一方で、早くに結婚している方が多いんですね。荒木さんが応援されてきた方々で結婚に至った方には、何か共通点はあるんでしょうか?
そうですね、自分に合う人を見つけるのって本当に難しいことなんですが、結婚された方々には「根拠のない自信」があって固定観念がなかったかと思います。
婚活していると根拠のない不安に振り回されてしまう方もいるんですよ。「はげているから上手くいかないんだ~」とか。むしろ「はげていますけど何か?」と前向きな姿勢の方のほうがスムーズに活動されている印象があります。
また固定観念にとらわれて考えすぎてしまう方もいて。それってすごく残念だと思います。いつどこでどうやっていい人に出会うかわからないんだから、先入観で凝り固まってご縁を逃してしまうのではもったいない!
私が関わらせていただいたカップルのなかには、2か月間オンラインでデートを重ね、初めて対面したその日にプロポーズして結婚された方々もいるんですよ。この方々はオンラインだから、一度も会っていないから、ということに全然とらわれていなかったように思います。きっとオンラインで交流したときの印象や会ったときの気持ちを大事にして結婚を決められたんじゃないかなと。
――応援していた方が結婚されるとやっぱりうれしいですか?
ええ、結婚したい人が愛する人と巡り合って結婚できたなら、こっちもうれしくなっちゃいます。私って昔からこうで、誰かが困っていると放っておけない質だったんですよ。
子どもの頃、友だちから「○○君が気になっているんだよね」と相談されれば、その意中の相手に「○○ちゃんが気になっているんだって!○○君はどう?」と聞きに行って、よさそうな反応であれば体育館裏で話すようにセッティングするとかをしていて(笑)。恋愛に限らず何か人のためになることをしたくて、学級委員などもしていました。
――人の役に立ちたい心が今のお仕事に繋がったんですね。
そうですね。思えば、今の仕事をする前も人のために立ち回る仕事をしていました。
最初に就いた仕事はバスガイドだったんですが、「お客さんを行きたいところへ連れて行って、幸せに向かってご案内する仕事だ」とやりがいを感じながら働いていましたし、バスガイドで話術が磨かれたことから司会業をするようになったときも、進行に徹する一方で場を盛り上げることに打ち込んでいました。
――ご自身の性分に合ったお仕事をされてきたんですね。婚活に注目したのは何がきっかけだったんですか?
じつは「婚活」の言葉が世に広まる前から私は婚活に関わる仕事をしていたんです。お見合いパーティーとかねるとんパーティー(※)とかの司会をしていて。で、あるとき、ふと気づいたんです。「あれ、どんどんカップルできるな」って。
パーティーを盛り上げよう盛り上げようと一生懸命やっていたら、その熱が参加者のみなさんに伝わったようで、気がついたら全体の半分くらいがカップルになっていたんですよ。
※ねるとんパーティー
フジテレビ系列のバラエティー番組『ねるとん紅鯨団』を機に流行した婚活パーティー。
――最初のお話にあったように、カップル成立率が50%だったんですね。
その事実に気づいたとき、「これって私の得意なことなんだ」と思ったんですよね。「自分の好きなことを自分らしくやっているから結果も出るんだな」って。それでこれは仕事になるかもしれないと考えて。ちょうどその頃、2008年ぐらいから「婚活」が世の中で言われるようになって、本格的に婚活サポートの仕事を始めるに至りました。
――得意なこととはいえ結婚や婚活は本人の意思の問題で、それをサポートするのは難しそうですよね。何か工夫していることはありますか?
たしかに人の背中を押していくお仕事ですから難しいですね。みなさんにはできるだけ自分らしくのびのびと婚活してもらえるようにと、楽しい雰囲気づくりを心がけています。だって楽しくなくちゃ苦しいばかりになっちゃいますから。
――どうやって楽しくしているんですか?
ちょっとしたことを伝えるとき、ユーモアを交えて言うようにしているんですよ。「今日は紅葉狩りなんかさせないよ、異性を狩るんだよ!」とか(笑)。バスガイド時代からこんなふうにしゃべっていたんですけど、おもしろく言うのが好きなんですよね。
他にも、なかなか異性にアピールできない人に「飾りじゃないのよ、名札は」と声をかけたり、同性同士のおしゃべり禁止を伝えるのに「群れるな危険!」と言ってみたり(笑)。愉快に伝えると緊張感も解けますし、心に残ると思うんですよね。それで20年以上いろんなことを言ってきて、2021年には語録を集めてカレンダーを作っちゃいました。
――「ハートの筋トレ」とありますが、これはどういう意味ですか?
婚活ってハートの筋トレをする場なんですよ。「一生いたい」と思える人に出会うにはまず自分をさらけ出すことが大切で、でも自分を出すと恥をかいたり傷ついたりすることがあるんじゃないかって怖いですよね。だからハートを鍛える必要がある。耐える力をつけて積極的に異性に向かっていってほしいんですよね。
結婚してからも人生は続きますし、生活面や仕事面でいろんなつらいことにぶつかるものです。そのときに強く生きていくためにも、ハートの耐力をつけてほしいなと思っています。
――なるほど、体力じゃなくて耐力。でもハートの筋トレってどうやるんですか?
それはチャレンジを繰り返していくことですね。バッターボックスに入ってどんどんバットを振っていくようなイメージ。いきなりホームランを狙わなくてもいいんですよ。まずは当てにいくところから。最初は球が見えないかもしれない。でも何回もバッターボックスに入っているときっと見えるようになる。
婚活でなかなか勇気が出せないという方にはこの例え話をしながら、「そのうち変化球だって打てるようになるから!」と励ましの声をかけさせてもらっています。
――荒木さんは打者の活躍を導くコーチ役というわけですね。
そうですね(笑)。「次はバット、どう振っていく?」ってお一人おひとりに向き合って、その方が自分の良さを発揮できるようにあの手この手を尽くしています。
――世話好きだったり、ユーモア性だったり、荒木さんは自分の特性を活かして活躍されていて素敵です。しかし自分の良さがわからないという人もいます。この場合どうすればいいんでしょう?
それは「魅力の棚卸し」をしないとですね!
――魅力の棚卸し?! どんな作業をするんですか?
今まで人に褒められたことを思い出して紙に書き出すんです。大それたことじゃなくてもよくて、ささいなことでいいです。「人の話を聞くのが上手だよね」とか、「おいしいお店を見つけるのが得意だよね」とか。お世辞も含めて書き出す。そしたら何かしら自分の良いところが見つかるはずです。
――自分で自分の良いところを書くってちょっと恥ずかしいような気もしますが…。
そんなことは全然気にしなくていいです! 日本人って自分のことを自慢しちゃいけないみたいな遠慮の気質があるんですが、自分の良さを自覚していないなら遠慮している場合ではないです。婚活イベントでも全然自分のアピールをしないで自己紹介が「会社員です」で終わる人がいますが、「もっと個性を出していかなきゃ」っていつも思うんですよ。
想像してみてください、家電屋で掃除機を売るのに「こちらは掃除機です」と言って、売れますか? 吸引力があるとか音が静かとか魅力を言わないと売れないですよね。人間だってただ環境(出会いの場)に身を置けばいいだけじゃなくて、その環境で自分の良さを活かすことが大事だと思うんです。
――婚活では自分の良さがわかるとそれを活かして相手を喜ばせたり、気遣ったりできそうですね。もし荒木さんのように仕事やライフワークに自分の特性を活かそうと思ったら、どうしたらいいでしょう?
それは経験から感じているんですが、自分の特性に「使命感」を見出すといいんじゃないかと思います。自分の得意なことがあったとして、それを自分のためだけに役立てていたんでは自己満足で終わってしまいますよね。でも、誰かのために役立てる方法を考えれば、社会から必要とされるようになって応援してもらえるんですよ。
私の場合、人の結婚を応援する婚活イベントを企画することは、地方の人口減少対策に役立っているんです。実際、お仕事をいただくのは人口減少に悩む地方自治体からが多くて。だから必要とされる場所に自分の得意分野を合わせることで、自分らしい道が拓くのではないでしょうか。
――自分の特性とそれを活かす場、両方を見つけることで可能性が広がっていくんですね。ありがとうございました!
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この記事を編集した人
ほんのまともみ
やる気ラボライター。様々な活躍をする人の「物語」や哲学を書き起こすことにやりがいを感じながら励みます。JPIC読書アドバイザー27期。