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仕事・働き方
2019.07.2
【高校生】【保護者】
千葉商科大学の「学生ベンチャー食堂」を取材しました! 進路選びに迷う高校生のみなさんにも、保護者のみなさんにも、ぜひご覧いただきたい“これからの若者”の姿です!
学生起業が話題です。
新卒一括採用や終身雇用が崩壊し、先行きが不透明な現代社会。組織に人生を委ねるのではなく、若いうちから自分の力でやりたいことを実現するというスタイルが注目されてきています。中には大学在学中に起業・経営に乗り出すという剛の者も少なくありません。
普通の大学生活から飛び出して、起業の世界にチャレンジ。いったい、どんな“やる気”が学生たちをそうさせるのでしょうか?
今回は、千葉商科大学(千葉県市川市)を取材しました。大学生活中に起業できる「学生ベンチャー食堂」制度を活用し、学生経営者として大活躍している二人にお話をうかがいます!
「学生ベンチャー食堂」は、千葉商科大の公認のもと在学生が運営する飲食店です。営業しているのは、学内公募により厳正な選考を通過した3店舗(2019年6月現在は2店舗のみ営業中)。
授業で学んだ理論を店舗の運営に活かし、実社会で役立つ経営の知識とスキルを身に付けてもらいたいとの大学側の思いから2011年4月に始まりました。社会に出る前の多くの学生たちに起業のチャンスを提供しています。
今回、取材に応じていただけたのは、「彩食菜」の木村海音(きむら・あまね)さんと、「満腹ダイニング」の陳子豪(ちん・しごう)さんです。
お二人はプロの「学生食堂経営者」として、 主に昼休みに学生への食事を提供しながら学業との両立に励んでいます。 事業計画書の立案はもとより、メニューの考案や、アルバイトの採用、収支計算なども、すべて自分で行っています。
彩食菜(いろどりしょくざい)
牛丼 400円、生姜焼き弁当 450円、魚のフライ弁当 450円、そのほか日替わり・週替わりでいろいろ。1日8種類程度のお弁当をキャンパスで屋外販売している。営業日は月・火・木・金、11時00分から12時50分まで。
川崎:やる気ラボの川崎です。よろしくお願いします。
木村:よろしくお願いします。
川崎:まず、経営者として普段どのようなお仕事をされているのか、1日の流れを中心に教えてください。
木村:まずは、営業する前日にあらかじめ野菜を切っておいたり、米をといでおいたりと、いわゆる仕込みをします。営業日の当日の朝7時に登校して、前日に準備しておいた野菜などの食材に火を通し、味付け。
さらに、アルバイトさんが8時30分ごろにきてくれて、キャベツの千切りとお弁当に調理した食材を詰めていく作業をします。だいたい詰め終わってから11時くらいに外に運び出して、そこから営業開始という流れです。
川崎:バラエティ豊かなお弁当で、とても美味しそうです。
木村:クローズしたあとは急いで後片づけです。13時10分から3限の授業が始まってしまうので。ぜんぶ済んでから、授業に向かいます。だいたい4限まで入っているので、終わるのは16時20分ごろです。
川崎:授業が終わってから、お店には戻るんですか?
木村:そうですね。次の日が営業日の場合は店で仕込みを、営業日でないときは店内の掃除を念入りにやります。遅いときは、夜9時くらいになることもありますね。最近は、慣れてきたので8時半くらいには学校を出られているかなという感じです。
川崎:…………。
川崎:かなりハードですね…! 学業と両立しながらだと、大変だと思います。
木村:ラクだとは思いませんけど、やっているうちに慣れてくるんですよ。お客さんに毎日8種類のお弁当を効率的にご提供するために、あらかじめ前日にできるところまでしっかりと仕込みをしておいて、翌日は私が味付けている間に、アルバイトさんにお弁当に詰めてもらうといったチームワークで乗り切っています。
川崎:限られた時間を効果的に使っているんですね。
木村:うまく仕事を回せるようになったという自信もできてきました。
いま、とても楽しいです。買っていただいたお客さんから「おいしかったよ」とか、「また来るね」と言われるのが一番やりがいを感じますね。あと、完売したときはすごくうれしいです!
満腹ダイニング
日替わり丼、スタミナ丼、角煮丼など。旨い、安い、ボリューム大の丼物を中心としたお店。価格は学生が購入しやすいように全品450円。2016年から続いており、数多くの学生たちの定評を得ている。
川崎:一方、陳さんは木村さんよりも長く経営されている“先輩経営者”です。大学2年生で「満腹ダイニング」を開業し、大学院に進学した現在も続けられています。院生にもなると学業との両立はますます大変だと思いますが、どのようにマネジメントされていますか?
陳:全部を自分ひとりでやろうとすると、学業との両立はできません。店をうまく回すためには、店舗内のことなど頼れるところはアルバイトさんたちに頼って、自分でやるべきことは自分でやるという線引きが大切でした。
川崎:経営者としては、どのようなお仕事が中心となるのでしょう。
陳:主な仕事は、アルバイトさんたちのシフトを決めたり、人員が足りなかったら補充したりと人事面のことです。さらに、食材の仕入れや新しいメニューも考えたりしています。もちろん、アルバイトさんと一緒に店舗内の仕事をすることもあります。
川崎:お店の、核となる仕事ですね。
陳:やりがいはすごく大きいですよ。
食堂はお客さんの反応がよく分かるんです。毎日足を運んでくれる常連さんがいらっしゃったり、「おいしい」と言ってもらえたり、メニューを選びながら「どれにするか迷っちゃう」と言ってくれたり。
そんなとき、さらにモチベーションが上がりますね!
川崎:やる気に燃えていますね! 先ほどお仕事の様子を見させてもらっていたのですが、本当にお店を大切にしているという気持ちが伝わってきました。
陳:売上やお客さんの満足度といった「自分が決めた目標」を達成するのがうれしくて続けられます。それが僕のモチベーションです。
達成までの道のりは大変なこともありますが、成し遂げた自分を想像しながら頑張っています。