新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2021.11.2
永田さんが注目されるようになったのはこの動画からでした。リサイクルショップ「ハードオフ」で販売するジャンク品を使って、X JAPANの『紅』を演奏するというものです。
一部壊れたものを使っているにも関わらず、その演奏は非常にレベルが高く、多くの人を惹きつけました。その後公開された動画も、歌唱力の高さや構成の面白さが魅力的で、永田さん自身が本気で楽しんでいる様子が見られることもあり、大人気です。
永田さんはどうしてYouTube投稿をするようになったのか。動画に乗せている想いとは何か。きっかけややりがいなどをうかがいました。
ハードオフ
楽器・家電・家具などの中古品を扱うリサイクルショップ。「価値あるリユース(リサイクル)商品を循環させ、持続可能な地球と社会への貢献・リユース商品ならではのワクワク体験をお客様に届ける」を理念に、日本全国・海外に900店舗を展開する。
永田さん
ハードオフ久留米国分店店長。1988年生まれ、福岡県出身。26歳のとき、音楽で食べていく夢を諦め、東京から福岡に帰郷。「ハードオフ」にアルバイトとして入社する。その後正社員となり、2017年に勤務店舗のYouTubeアカウントを作り、動画投稿をスタート。X JAPANの『紅』を演奏した動画がバズると、ますます動画制作に打ち込むように。2021年にはハードオフ公式アンバサダー「ハードオフファミリー」に就任した。
Follow @nagatamovie
――そもそもですが、永田さんはどうして「ハードオフ」に入社されたんですか?
僕はもともと20代前半まで自分で音楽活動をやっていたんですね。「音楽で成功したい!」と思って10代で上京して、バンドをやったりYoutubeに「歌ってみた」を投稿したりしていました。でも26歳のときにその夢をきっぱり諦めて地元・福岡に帰ってきたんです。
それから仕事を探すわけですが、「音楽をやっていたし、楽器が扱える職場がいいな」と思ってハードオフのアルバイトに応募しました。自分も何回か利用したことがあったので、いろいろな楽器にふれられるイメージがあったんですよね。
――夢を諦めて働くというのは切り替えが難しいように思いますが、永田さんは長く勤務され、動画でも生き生きとされています。それはやっぱり仕事が楽しいからですか?
そうですね。職場に恵まれたというのもありますが、入社当初から、人が使ったものをまた次の人に使ってもらうというリユース事業をとてもおもしろく感じています。とくにジャンク品は人によって使い方がさまざまで楽しいんです。
ときどき「なんでこれ売れたのかな?」と気になって、お客様に「どういうふうに使われるんですか?」と尋ねるんですが、毎度予想外の答えが返ってきて驚かされます。
あるとき、電源が入らない壊れたテレビを購入された方がいらっしゃったんですが、使い方を尋ねると、「ここに絵を飾ったら見た目がおもしろいかなって」と答えられたんです。展示会を予定されている方で額縁として使われるとのことでした。
また、音の出ないトランペットを購入された方がいらっしゃったんですが、その方は演奏に使うのではなく、絵の練習用に使うとのことでした。「実物を見たほうが、絵が上達するから」ということらしいんですね。
ほかにも修理して使う方や、部品を取って別のものに使う方、インテリアとして使う方などがいらっしゃいます。こんなにも用途が幅広い商品はほかにはないんじゃないでしょうか。
――永田さんの動画はまさに商品である「ジャンク品」を活用した内容ですが、どうしてYouTubeを始めることになったんですか?
毎日ジャンク品やお客様と接するなかで、たとえ壊れていてもどの商品にも1つか2つはいいところがあるというのを感じており、それを多くの人に知ってもらうために動画という手段がいいと思ったんです。それでちょっとやってみようと。
――永田さんからの発案だったんですね。
はい。会社はわりと何でもチャレンジさせてくれる気風があるので、普通にすんなり始めさせてもらいました。再生回数やチャンネル登録者数が増えたいまでは、会社の方にも「すごいね!」と言ってもらえて応援していただいています。
動画の活動が評価されてハードオフの公式アンバサダーに。社内からの任命は永田さんが初とのこと
――最初の3~4本は楽器メンテナンスや商品紹介の動画でしたが、いろいろなジャンク品を使って1つの曲を演奏する形はどのようにして思いつかれたのですか?
特別何かきっかけがあったわけではないです。よくある普通の動画をあげているだけではあまり見てもらえないので、ちょっと変わった形にしてみようと考えて自然といまの形になりました。もともと自分で音楽をやっていたのもあって広く楽器の知識があり、それを活かす形になりましたね。
第2弾動画。『紅』の動画の再生回数が徐々に伸びてきたことから「楽しんでもらえている」という実感を得て、毎月投稿するように。第3弾以降はこちら
――初期の動画から順番に見るとだんだん構成や見せ方が凝っていきますよね。動画の編集はかなり勉強されたのでは?
多少はやり方を調べるなどしましたが、じつはそれほど凝ったり時間をかけたりしているわけではないです(笑)。
最初はPCにもともとインストールされている編集ソフトで切り貼りするだけで、そのうち合成などちょっとこだわるようにもなりましたが、基本的には「無理のない範囲でやれることをやろう」という姿勢でやっています。
そもそもあまり「宣伝しよう!」という気概でやっていないんですよね。ただ商品の良さや楽しい感じが伝わればいいと思っているだけで。ほぼ趣味の延長です。自分がやりたいことを楽しくやっているだけなんです。
撮影裏側の様子。撮影から編集まですべてひとりでこなしている永田さん。しかし「やりたいことやっているので大変な意識はない」と語る。
――では趣味の延長の動画を続けるなかで、「やってよかった」ことは何かありますか?
商品により向き合うようになったということですかね。店内の商品を見ていてふと、「これはこんなことに使えそう」と考えるなど、良さを探すクセがつきました。
「商品の輝かせ方」を考える習慣もつきましたよ。商品をどう見せるのがいいのかを考えることと、動画をいかにクリックしてもらうかを考えることは、本質は同じだと思うんですよね。動画を始めたことで店員としてのスキルも磨かれたと思います。
――やりたいことが楽しくやれて仕事の能力も上がっていくなんていいことづくしですね!もし永田さんのように仕事でYouTubeなりSNSなりを始める方がいたらどんなアドバイスをされますか?
仕事としてやる場合、宣伝が主な目的だと思いますが、宣伝のことは一切考えないでください! それより当人が楽しいと思うことをやってみるといいと思います。そのほうが結果的に商品やサービスの良さと本質を伝えることになります。
お客様も店員が熱中して楽しむ様子が見られたほうがおもしろいでしょうし、「やらされている」感じではなくて、自らアクティブに行動するやる気ある姿を見たいですよね。
――最後に、「こういう動画が作りたい!」など今後の展望は何かありますか?
とくに「新しくこうしよう」とか「これを目標に」みたいなことは考えていません(笑)。
ただ、今年の春からより多くの商品を扱う店舗に異動したので、ここで出会う多彩な商品をまた動画を通して輝かせていきたいですね。変わった商品が入ってくればぜひみなさまにご紹介したいと思います!
今年8月、1年8カ月ぶりに動画を投稿。動画後半では「新しく出会う楽器にワクワクしている」と期待を語った
――これからも動画を楽しみにしています!ありがとうございました。
動画は月1本ペースで配信されています。永田さんのやる気あふれる姿をぜひご覧ください!
最新動画「ハードオフ店員がジャンク品でX JAPANのRusty Nailを演奏」
\ 永田さんをフォローしよう! /
\ 最新情報が届きます! /
あわせて読みたい
新着コンテンツ
この記事を編集した人
ほんのまともみ
やる気ラボライター。様々な活躍をする人の「物語」や哲学を書き起こすことにやりがいを感じながら励みます。JPIC読書アドバイザー27期。