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近頃、オンラインセミナーやサロンなど巷で様々なオンラインイベントが生まれています。
「読書会」にもその波はきていて、2019年には人材開発論・組織開発論を研究する立教大学教授の中原淳さんによって400名規模のオンライン読書会が実施される(※)など、じわじわと広がってきています。
今までは一人で本を読むのがメインだったのに「感想を深く語り合うのがすごく楽しい!」「もっとたくさんの人と話したい!」と、アクティブなつながりへのやる気をみなぎらせていく――。そんな、新しい世界に目覚める読書人が増えているのだそうです。
そこで「オンライン読書会」をライフスタイルに取り入れることの魅力を、オンラインイベントについて深い知見と豊富な経験がある、 社会変革オンラインファシリテーター の田原真人さんに聞いてみました!
田原真人(たはら・まさと)
社会変革オンラインファシリテーター/オンライン教育プロデューサー
早稲田大学理工学研究科博士課程で生命現象の自己組織化について研究後、河合塾の物理講師になり、2005年に物理ネット予備校(フィズヨビ)を立ち上げる。ピラミッド型の社会・教育システムに疑問を抱いたことから、自らの学び場を自分で創るため「反転授業の研究」を主催。 オンラインファシリテーションという分野も開拓し、著書に 『Zoomオンライン革命』 。「 Zoom革命」代表。現在は、完全リモートの生命型組織「トオラス(旧・ 与贈工房 )」で学び、組織、社会のパラダイムシフトに取り組む。
ZOOMはアメリカの会社が作成したWeb会議システムです
このインタビューもZOOMを使っておこなってみましたよ!
田原さんは、読書会をはじめ、これまで大小様々な規模のオンラインイベントに携ってこられたと思いますが、ユーザーにとってオンラインで読書会をするメリットといえば何でしょうか?
まず「多様な形で参加できる」ことだと思います。例えば、過去オンライン読書会を運営した際、参加者の中に、育児中で子どもを送りに行った車の中から接続していた方がいました。
車の中から!
色んな生活がある中で、オンラインだからこそ参加できるっていう形になっていましたね。育児や介護などで気軽に出かけられない、夜や土日祝に開催されるイベントには参加できないという人でも、オンラインなら自分の暮らしのリズムを乱すことなく取り入れやすいと思います。
確かに書店さんやサークル団体主催の読書会は、カレンダー通りの休日に行われたり、平日でも夜7時頃からだったりして、参加できる人が限られてしまうことがありますね。人によっては開催場所が遠いことが弊害になっていることもあります。
場所という点では、オンライン上では地域格差がありません。海外から参加する方もいるので、「視点の多様さ」が体感できます。読書会はもともと、同じ本を読んでも視点が色々違ってその違う視点から学びあえる、ということが魅力ですよね。
オンラインなら遠隔地の人や自分とは異なるライフスタイルの人ともふれあえます
そうですね。その点ではオンラインだからこそ「やってみよう!」という気になりますね。
昨年開催した400人規模の会はまさにそういう雰囲気で、リアルでもなかなか集まれない人数になったこともあって、参加者たちには「自分たちは今、歴史的瞬間に立ち会っているぞ!」という熱気がありました。
実際にはどんな様子だったのでしょう?
各章について数人がサマリーをスライドで発表し、それに対して著書がコメントを返していくという進め方だったんですが、その間にも他の参加者がチャットでたくさん書き込みをしていって、活発にやりとりをする場になっていました。
参加者のイキイキした姿が浮かんできますね…!
「用意してきたことを話す」に留まることなく、「今聞いたことについて感じたことを返す」という、大勢の人がすごくインタラクティブに関わってその場を作っていたんですよ。
ライブ感たっぷりですね。
「これはオンラインならでは!」という魅力についてはいかがでしょうか?
ZOOMには録画機能があるので、ある程度継続することを前提とした会では、その動画を追いかけて参加することができます。
それはオンラインでしかできないことですよね。
ZOOMの主なメニュー。「レコーディング」をクリックすると録画が開始され、ミーティング退出後に自動でPCに音声と動画がダウンロードされます
オンタイムではなかなか参加できず、ほとんど録画で対応していたという人も過去にはいましたよ。
補完のためだけでなく、むしろ最初から「録画で参加する」ということも、選択肢としてはアリなのですね。
録画でキャッチアップしたものにコメントを返したりして、そういう形でも参加していけます。
このことで、過去におもしろい事件もあったんです。
ある日のオンライン読書会で、初めて会った人にめちゃめちゃフランクに話しかけられたんですよ(笑)相手はそれまでずっと動画で僕のことを見ていたので、もう長年の友達という感覚になっていたみたいで。僕のコメントについて「それなんだけどさー!」と。
それは録画でも十分輪の中に入っていることを物語るエピソードですね(笑)
「あの時の読書会深かったな」と終わった会を見直すこともできるのも、オンライン読書会のいいところですね。
もう一度見ると、「あの人が言ったことはそういう意味だったんだな」と理解が深まり、読書体験がまた違う形で再現できるんです。
それは面白いです!
本を再読するだけでなく、読書会そのものを再読することができるのですね。
倍速再生でスライド的に見直す人もいます。
振り返ること込みで楽しむのが「オンライン読書会」の醍醐味ですね。
田原さんは「ZOOM革命」というプロジェクトを推進されていますが、数あるツールの中で、なぜZOOMなのでしょうか?
ZOOMは一番新しい世代のWeb会議システムですが、前の世代のものから使っている僕からすると格段に参加しやすくなりました。
というのは?
例えばスカイプの場合だと、「お話しましょう」となった時、まず相手のアカウントを探すところからしなくてはならない。そういうやり取りが手間で大変だったんです。その点、ZOOMは「このURLをクリックしてください」だけで済みます。
※ミーティングルームを作成する人はアカウント登録が必要です。
煩わしいやりとりがなくなって、繋がるのがとても簡単になったんですね。
ITスキルに自信がない人でも参加しやすくなりましたね。
通信の遅延や切断などのトラブルはないのでしょうか?
それはまだ起こることもありますが、前に比べたら10分の1くらいに下がっている感じがしています。
始める前のモチベーションを下げることなく取り組めそうですね。
僕の所属する「与贈工房(現・トオラス) 」では2016年からおよそ4年にわたって色んな社会実験をやっていて、「初めて使う」という人も含めて200人規模のオンラインフェスをやったりもしますが、そこそこ機能していて「現実的にやれる」ということを実感しています。
▶ZOOMを使ったことがない方必見!:「ZOOM革命」による使い方まとめ最後に、どんな時にオンライン読書会を活用するとよいと思われますか?
そうですね。「積読」になっていて「これもうひとりじゃ絶対読めないな」っていう本を、オンライン読書会を通じて読んでいくというのはいかがでしょうか。
入手したものの読むことなく積んだままになっている本を引っ張り出してきましょう!
積読をクリアするために活用するのですね!
本が好きでいつか読もうと手元に置いてはいるけれど、時間の都合がつけられないという人ほど企画してやってほしいですね。
土日フルで働く書店員さんや図書館司書さんなど、本業界の方にもいい機会だと思います。
ありがとうございました!
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この記事を編集した人
ほんのまともみ
やる気ラボライター。様々な活躍をする人の「物語」や哲学を書き起こすことにやりがいを感じながら励みます。JPIC読書アドバイザー27期。