新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
子育て・教育
2020.03.4
家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。
今回のゲストは、小学生の女の子を持つお母さんからのお悩み。なんでも「1番」でないといや。1番になれないものは最初からあきらめる我が子にどう対応したらいいのか、齊藤先生にアドバイスをしていただきました。
サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。
きりんさん
今回の相談者。いつもニコニコしてほんわかな印象を受ける、小学1年生と4歳のお子さんを持つワーママ。今一番ほしいものは・・自分の時間とお金(笑)
こぶた
やる気ラボスタッフ。息子と一緒に遊ぼうと、当て所もなく電車に乗り、なぜかベビーカーを引いて高尾山に登る。彼の行動に対して斎藤先生に一度相談してみようかと思う(わんこ談)
わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。 メイク必須のわんこにとって、 花粉の時期はスプレータイプのアレルギー予防で凌いでが、今年はコロナウィルス予防のためマスク必須!アイメイクだけでいいか。
今回は小学校1年生のお子さんについてですね。何でも一番を求めてしまうがゆえのお悩みとのことですが?
はい。一番を追求するところは親としても素晴らしいなと思うのですが、うまくいかないと「キーッ!」となってしまって、親がなだめても耳に入らない様子なんですよ。
お父さんお母さんがプレッシャーを与えているということはありませんか?
夫は娘にきつく怒ったりしませんし、夫婦ともに娘に対して「常に一番になれ!」みたいなことは言っていないので…二人で「すごいね」みたいになってしまっています(笑)
お子さんの持って生まれたものなのかもしれませんね。
以前に、マイペースなお子さんの記事(「マイペースな息子とせっかちな私」)で、一番にこだわらなくてもいいというお話を読んで、なるほど!と思ったのですが、うちの場合はその言葉をかけても響かないみたいでどうしたものかなと。
具体的には、どんなことで一番になりたいんですか?
テストやかけっこなど幅広くですね…
オールマイティーということですね。
はい。基本的に負けず嫌いなんです。「自分が頑張れば一番じゃなくてもいいんだよ」と言っても、「私は一番じゃないと嫌!」みたいになってしまうんですよね。
あれも一番これも一番はなかなか難しいですよね。
そうなんですよ…
学校でも同じような感じなのでしょうか?
お友達に嫌な思いをさせてないか心配で、学校の先生にも聞いてみたんです。
その時は「周りをよく見て行動していますよ」と仰っていたので、ホッとする一方本当かな?みたいな思いもありましたね。
ちゃんとわかっているんですよ!そうなると、家庭で発散しているのかもしれません。頭の中では一番になりたいけれども、学校ではそういう様子を外に出していない。
自分の中に達成動機や成功欲求みたいなものがある中で、小学校一年生にも関わらず抑えているということです。
学校で我慢している分、家で出しているわけですから、お母さんはあまり考えこまずに「ここで発散するのならいいよ」という対応が良いかもしれませんね。
そうなんですね。発散というか「やだやだ」が夜中に始まっちゃうことが多くて。時間も時間ですし、どういう風に受け止めたらいいのかなって悩むところです。
夜中というのは精神のストレスなどが出やすい時間帯です。頭の中も寝る準備を始めるので、抑えが弱くなってくるんですよ。赤ちゃんの“夜泣き”みたいな現象です。
子どもの言うことをまともに受け止めないで、甘えているんだなぁって悠然と構えていることですね。
なるほど。具体的な声かけについてなのですが、一番にこだわっている子どもへの対応としては共感した方がいいんでしょうか?
「頑張れ!」と言うのか、「頑張らなくていいよ」と言うのかどちらが良いのでしょうか?
どちらが正しい回答というのはないですね(笑)
えっ⁉
頑張らなくていいよと言えば、「そんなことない!」となるし、頑張れと言えば「私はもう頑張っているんだから!」みたいになると思いませんか?
確かに!
要するに甘えの一種で、発散したいのです。どちらでという風に決めないで、その時々の雰囲気で子どもに合うように受け止めてあげるのが良いのではないでしょうか。
得意分野では一番を目指す一方、不得意分野についてはやりたくなくなってしまうというお悩みもあるそうですね?
そうなのです。始めから一番が取れないとわかっているものはやりたがらないんですよ。「頑張って0点なら、パパもママも怒らないよ」と言うのですが、「本当に怒らない?」と不安気になるのです。
それは学校の授業ですか?
いえ、習い事で通っている英語教室です。始めたのが遅かったので、自分だけ出来ないという思いがあるようで…。
小1で英語をスタートしているのは十分早いと思いますよ!
1週間に1度か2度ぐらいの習い事で、英語脳になるのかということを考えると幼稚園からやったらよく出来るとか、小学校一年生からじゃ出来ないとかはないと思いますね。
そうなのでしょうか。
本人が自発的にやるのであれば良いのですが、嫌々では身に付きにくいです。 本当に行きたくないのか甘えているのかを見ながら、今後の対応を考えた方が良いと思います。
その見極めが難しいですよね。例えば体調が悪いからと言って一回休んだとして、次回も休みたいと言われた時にどうしようかなと思います。
こちらがダメと言うものなら「この前は許してくれたよね」なんて言われかねないので、 毎回きちんと行くように言った方がいいのかな…と。
そこはちょっと許した方がいいような気がしますね。
「これは嘘だな」とわかっていてもでしょうか?
そうですね。本人は嘘をついてでも行きたくない理由があるので、そこをまず考えてみる。まだ小学校一年生なので、今は自分の得意分野を伸ばしていき、嫌なものは様子を見るぐらいで大丈夫だと思いますよ。
小学校の1・2年の遅れなんて後からいくらでも取返しがつくと私は思いますね。
きりんさんのお子さんは、自己評価が高いのか低いのかどちらなのでしょうか?
基本的な自己評価は高いです。自分の評価が高いのを外からも求めるんですよ。
自分はこういう人間だというセルフイメージ、自己概念を安定させようとする気持ちを、心理学では「自己確証動機」と言います。
自分が出来るということを良い成績で見たいし、お母さんにも「すごいね」と言ってもらいたい。そこで自分が持っている評価が確認・確証されるのです。
親に認められたいのですね。先ほどの「家で甘えたい気持ちが出ている」というお話を聞いて、娘には寂しい思いをさせているのかなってハッとしました。
弟が4歳なので、無意識に「もう7歳のお姉ちゃんでしょ」なんて言ってしまうんですよね。
「お姉ちゃんだから」「できるでしょ」が一番こたえるんですよね。 日本的な上下関係というか、本当はまだ甘えたり褒められたりしたいのにどうしてもお兄ちゃんお姉ちゃんの方へ負担が来てしまうんですよ。
娘も褒めているんですけどね(笑)
それを上回る言葉が欲しいのです。もっと自己評価を補ってくれる褒め言葉が。
でも、兄弟を褒めるのって難しいですよね!片方を褒めるともう片方が、「どうしてそんなことで褒められてるの⁉私なんてこんなことできるんだから!しかもずっと前からね!」みたいに新たな戦いを生み出してしまう…
本当あるあるですよね(笑)
競争心がすごいんですよね。まぁそれが、結局はある意味成長の力になっているんですよ。上の子は上の子で年長者であることを求められるし、下の子にとっては自分がどんなにできても中学ぐらいまではお兄ちゃんお姉ちゃんにはかなわない。
そういった兄弟関係の中で優劣があるからこそ、それをカバーしようとすることが私たちの生きるモチベーションになっているわけです。お母さんたちにとっては悩みの種かもしれませんが、それこそが子どもの成長にとってはすごく大切なことですから。
そういったマイナスとも言える気持ちが、頑張るプラスのエネルギーに転換できるんですね!今日はお話を伺えて良かったです。ありがとうございました!
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この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。