新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2020.01.30
皆さんは、BCリーグをご存知でしょうか。正式名称は「ルートインBCリーグ -Baseball Challenge League-」。2020年現在、12チームが参加する国内プロ野球独立リーグの一つです。
「プロ野球」という言葉を聞くと、読売ジャイアンツや福岡ソフトバンクホークスなどが所属する「日本野球機構(NPB)」を想像する人が多いかもしれません。しかし、2007年に「地域の貢献」を目的に発足されたこのBCリーグもまた、たくさんのファンに愛され、ファンに支えられてきた唯一無二のプロ野球リーグなのです。
「やる気」にあふれる選手たち、彼らを熱く応援するファンたち、そしてそれを盛り上げる運営陣。なぜBCリーグは、こうも熱いのか。その秘密を探るため、BCリーグの事務所にうかがいました。
お話をうかがう人
志賀楓さん
やる気ラボの勝部です。本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速ですが、BCリーグもNPBと同じ「プロ野球」だと思うのですが、どのあたりに違いがあるのでしょうか?
まず、BCリーグは、プロとしてプレーする野球選手を地方で間近に見られることが特徴です。
NPBは地方での試合が年に数回しかなく、普通は大きな都市でしか見られませんもんね。
そうです。
そしてなんと言っても、BCリーグはもっとファンと近くてつながりが強いプロ野球なんですよ!
つながり・・・?
例えば、試合が終わってお客さんが球場から帰ろうとするとき、選手たちが出てきて挨拶をするんです。それが、本当に立ち話ができちゃうくらいの距離感なんです。
プロと立ち話ができちゃうんですか!それは応援したくなっちゃいますね。
応援したくなる理由は、まだまだ他にもありますよ!
勝部さんはBCリーグの選手って、どんな選手が多いと思いますか?
ええー。やっぱりレベルも高いですし、甲子園とか大学野球とか、エリートコースを歩んできた人たちなんじゃないんですか?
NPBだと、野球のエリートコースを歩んできた選手が多いですよね。しかし、BCリーグの選手は、これまでの野球人生のどこかで道を外れてしまった選手が多いんです。BCリーグは、そういった人たちが「もう一回がんばろう!」というやる気を持ってチャレンジできるリーグなんです。
まさに、「ベースボールチャレンジリーグ」。門戸が広いんですね!
それは、具体的にはどういった経歴の人たちなのでしょうか?
杉浦健二郎選手※(神奈川フューチャードリームス)のように、あえて部活に所属せずに自分を磨いてきた選手や、チームの方針と合わず一度野球を諦めてしまったという選手もいます。
※【関連記事】杉浦健二郎 「野球は楽しむもの」高校・大学野球未経験者、プロへの挑戦
また、過去には、通信制の高校に通いながら頑張っていた選手もいました。2019年には、ブラジル人の選手や中国人の選手も活躍しましたよ。
すごい。NPBではあまり見ることができない選手たちですね・・・!
今年入団する選手では、怪我を克服し、数年ぶりに現場に復帰するという選手もいます。
本当に、挙げたらきりがないほど、いろいろなストーリーを持っている選手がいっぱいなんですよ。
「もう一回頑張ろう」「チャレンジしてみよう」という選手たちの活躍する姿が、多くの人たちを引き付けているんですね。
しかし、BCリーグはNPBに対し「プロ野球」としてまだまだ認知度が低いという現状があります。
「BCリーグは過酷だ」というイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか?
確かに、待遇面ではNPBに遠く及びません。そのため、報道では「プロ野球」扱いをされないこともあります。しかし、選手たちはやる気を持ってイキイキと活動をしているので、もっとそういうところに目を向けてもらいたいですね。
どのあたりに「やる気」を感じますか?
球場に行かれるとわかると思うんですが、本当に楽しそうにプレーをするんですよ。心から野球が好きなのが伝わってきます。
また、プレー以外でも彼らの「やる気」を感じます。野球教室で地元の子どもたちと楽しそうにしている姿、自ら地域活動に貢献しようとする姿を見ると、社会人として地域との橋渡しになっているなと感じますね。
BCリーグは、社会人としても成長できる場なのですね。
北陸地域での雪下ろしや、台風被災地でのボランティア活動など、地域活動に力を入れています。地元のおばあちゃんおじいちゃんに「助かったよ!」と言ってもらうと、本当に嬉しいですよね。
また、セカンドキャリアにも力を入れており、引退した後でも「BCリーグの選手が欲しい」といってくださる企業さんも増えているので、そういったところで社会に貢献できているのかなと思います。
「野球をやって終わり」ではないところが、とてもステキです!
ところで志賀さんは、どうしてBCリーグの広報になられたのでしょう。
もともとBCリーグのファンだったとか?
違うんですよ(笑)名前は知っていたけど、見に行ったことはなかったんです。
「BCリーグで働きたい!」と思ったのは、学生時代にアメリカに行ったことがきっかけです。
ええ、アメリカ!?BCリーグとなんの関係が・・・(笑)
もともと野球が大好きで、野球界で働きたいという思いがあったのですが、ちょうど私が大学生の頃、フィラデルフィア・フィリーズの傘下、アメリカの3Aのチームにインターンに行く機会があったんです。
ふむふむ。
そこはとても田舎の町だったんですが、試合があると地元のみんながドッと集まってくるんですよ。球場が、地域コミュニティのハブになっていたんです!
その光景がすごく印象的で、地域密着型の野球に興味を持ちました。野球で地域がつながるってステキだなって。私もこんな活動がしてみたいと、強く思いました。
なるほど。それで、「BCリーグで働きたい」というやる気スイッチが入ったんですね!
実際に入社してみてどうでしたか?
自分が思っていたよりも、ファンの応援の熱量がすごいことにいちばん驚きました。
全国的な知名度は低いけれど、ファンの方々も「みんなに知ってもらいたい!」という熱い気持ちを持っていたんです。
Twitterやネットの記事を見ていても、本当にBCリーグのファンは熱いなと感じます。「BCリーグはプロ野球じゃない」というコメントがあると、「プロ野球ですよ!」と訂正してくれる「独立リーグ警察」もいるんだとか(笑)
そうなんです(笑)Twitterや掲示板などで、BCリーグの良いところを自らアピールしてくださるんですよ。本当にありがたい存在なんですよね。
そんなファンの方々の「やる気」と「思い」を、より大きな形で伝えていくのが、私の広報としてのお仕事だと思っています。
認知度向上のため、どのようなことに取り組んでおられますか?
これからもっとやっていかなければいけないと思っているのが、情報との接点を増やすことです。
昨年のラグビーワールドカップが盛り上がったのは、SNSの投稿数やメディアの情報量も大きく影響していると思います。情報に触れる機会が多いと、自然と興味がわくものだと思うんです。
確かに。
ですから、ファンが自ら発信したくなるような環境を作れば、 より多くの人にBCリーグのことを知ってもらえるのではないかと思います。
どうやって環境を作ろうと考えていますか?
ファンの人がより発信しやすいようなハッシュタグ企画を、どんどんやっていくつもりです。ファンの人たちとのつながりを、もっと密にしていければと思いますね。
公式Twitterや志賀さんのTwitter、参加したくなるような企画がいっぱいだと思っていました。そういうことを意識した企画だったんですね!
最後になりますが、BCリーグをこれからどういうリーグにしていきたいのか、一言お願いします。
BCリーグのコンセプトは「ふるさとの全力プロ野球」です。もちろん全国的な知名度を獲得することは大事ですが、当然、地域の草の根活動もしっかりしていかなければいけないと思っています。それは、リーグのミッションである「野球を通じて、地域とともに、地域を豊かに」という言葉に、すべてつまっていると思います。
その上で、技術も意識も、待遇でも、もっと高いレベルのリーグになっていけたら良いですね!
BCリーグの今後に目が離せませんね。
ありがとうございました!
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この記事を書いた人
勝部晃多(かつべ・こうた)
やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。
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