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阪神ドラ3・及川雅貴 活躍の秘訣は「頑張りすぎない」【インタビュー】

2019.12.3

甲子園の常連・横浜高校で2年生時よりエースとして活躍し、阪神タイガースにドラフト指名された及川雅貴投手に、一つのことを突き詰める生き方についてお話をうかがいました。
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及川 雅貴(およかわ まさき)

【所属】    横浜高校
【出身地】   千葉県匝瑳市
【ポジション】 投手
【身長/体重】 183センチ/74キロ
【投打】    左投げ左打ち
【生年月日】  2001年4月18日
【プロフィール】プロ野球ドラフト会議2019で阪神タイガースから3巡目指名を受ける。奥川恭伸(星稜)・佐々木朗希(大船渡)・西純矢(創志学園)とともに「高校BIG4」と呼ばれ、2年秋からエースとして活躍。3度の甲子園出場を果たした。プロの舞台ではMAX153キロのストレートと切れ味鋭いスライダーを武器に、球界を代表する投手を目指す。

球界を代表する投手に


やる気ラボの勝部です。本日はよろしくお願いします。
まずは、先日のドラフト会議での指名(阪神タイガース3巡目)、おめでとうございます。自分の名前が呼ばれた瞬間はいかがでしたか?

呼ばれるか呼ばれないかわからない状況だったので、名前が呼ばれたときはめちゃくちゃほっとしました。「高校BIG4」 と呼んでいただくこともありますが、僕は彼ら(佐々木・奥川・西)と比べて結果を残せていないので、指名されるまでとても不安でした。

今度の対戦の舞台はプロ野球ということになりますね。
阪神タイガースの印象はいかがですか?

先日、秋季キャンプを見学させてもらったのですが、とても明るい印象を受けました。矢野監督が明るい方なので、選手間のコミュニケーションも結構あり、チーム全体を通して良い雰囲気が漂っていましたね。

秋季キャンプといえば、藤浪投手が別格だったとおっしゃっていましたね。

別格でしたね。投球練習を後ろから見させていただいたのですが、「球界を代表する選手になるためには、ああいう選手にならなければならないんだ」と痛感しました。自分のレベルの低さを実感できた良い機会でした。

プロのレベルを実感

能見投手・岩崎投手・高橋投手など、タイガースでは長身の左腕が活躍しています。及川投手と共通点も多いのではないでしょうか?

似ている部分は多いと思います。ただ、これは僕が中学生の頃から意識していることなのですが、人の投げ方をそのまま真似することは絶対にしないようにしています。
体型が似ていても、体のつくりや筋肉量、関節の可動域などがまったく同じ選手はいません。だから、良い選手の真似をしたからといって、良い球を投げられるわけではないんですね。自分にあった投げ方があると思うので、参考になるところを少しずつ取り入れていけたら良いと思います。

誰かのコピーでは、本物の一流にはなれないんですね。

自分が目指しているのは球団のエースになること、球界を代表する投手になることですから、現時点ではまったくかなわない方たちですけど、「抜かさないといけない」と強い気持ちを持つようにしています。

身体の柔らかさを感じさせる投球フォーム

横浜高校で学んだ
「細かい野球」


地元は千葉県の匝瑳市です。
千葉県も強豪高校は多いと思いますが、なぜ横浜高校への進学を決められたのでしょうか?

高校球児なら甲子園に出たいという思いが絶対にあると思うのですが、その中で僕は全国制覇を目指してやっていきたいと思っていました。また、プロ野球選手になりたいという思いを小さい頃から抱いていたので、その2つの目標を叶えられるのは横浜高校なのかなと思い、決断しました。

親元を離れての生活に、不安はありませんでしたか?

不安とかはまったくなかったのですが、自分のことは自分でやらなければならないところが大変でした。そういった部分で、親のありがたさがわかり、感謝しなきゃいけないなと思えるようになりましたね。

寮生活は自己管理も大変ですよね。
練習も忙しいイメージがあるのですが。

練習時間は他校に比べると長くないほうだと思います。全体練習が終わってから自主練習はするのですが、毎日夜中までというわけでもないので、意外と自分の時間はありますね。

それは意外でした。
横浜高校に入学して良かったと思う点を教えてください。

細かい野球を教えていただいたことです。横浜高校は、良い意味で本当に野球が細かいんですよ。
例えば、試合中の状況判断ですね。「○回の○点差で○ボール○ストライクだったら~しろ」とか・・・。
この先野球をしていく上で、絶対に困る場面がないというレベルまで教わりました。そのおかげで今後上でもやっていけると思うので、そこが何よりここに入学して良かったと思う点ですね。

覚えるのに時間がかかった

「頑張りすぎない」も
大切なこと


一方で、つらい・きついと感じることも多かったのではないでしょうか?

この2年半を振り返ると、良い思い出より悔しい思い出のほうがめちゃくちゃ多いですね。
特に、1年生の秋から春にかけて、地道に基礎固めをする時期が本当にいちばんつらかったです。普通は週1でオフがあるのですが、そのオフを返上していろんなメニューをこなして・・・。やっぱりグラウンドに向かっている時は、「みんなは休みなのにな」と羨ましく思う気持ちもありました。

そんな中で、頑張ってこられた理由はなんでしょう?

1年生の秋の県大会、自分のせいでチームがコールド負けをしてしまったんです。「自分がレベルアップしなきゃいけない」という思いが、「つらい」という思い以上に強かったので頑張れたんだと思います。

プレッシャーに押しつぶされそうになることもあった

プロ野球という夢を叶えるまでに、やる気を失いかけたこともあったと思います。
及川投手のやる気の出し方やリフレッシュ方法を教えてください。

僕はたぶん、練習量が多いわけではないので、周りに比べたらリフレッシュする時間も多いと思うんです。やっぱり、この「頑張りすぎない」時間が大切だと思いますね。
練習のやりすぎで怪我をしてしまい、思うようなプレーができなくなった選手の話をよく聞くのですが、変な言い方になっちゃうんですけど 、僕はそれがいちばんもったいないことだと思うんです。

「頑張りすぎない」ですか。

もちろんやるときはやりますよ、しっかり。ただ、めちゃくちゃつらいトレーニングメニューを、ずっとやり続けるようなことはしません。つらいことをやり続けても、なあなあになってしまうと思うので。
しっかり休むときは休んで、やるときは全力でやる。そういう切り替えを大切にしています。

つらいことを続けても、結果はあまり良くならない。
なるほど。野球だけではなくて、勉強や仕事にもいえることですね。

気持ちの切り替えがうまいんです

自分のタイプを
理解することが大事


及川投手の思う自分の魅力ってなんですか?

魅力・・・。魅力ですか?
・・・なんですかね、わからないですね(笑)

なんでですか!めちゃくちゃ魅力的な投手じゃないですか(笑)
それでは、今後こんな投手になっていきたいという目標はありますか?

僕もプロのプレーを見て学ぶことも多かったですし、やっぱりプロ野球選手はアマチュアの選手にとって憧れの舞台なので、今度は自分が夢や希望を与えられる選手になれればと思います。

プロスポーツ選手はみんなの憧れであり、プレーで頑張る力を与えられる存在ですもんね。
最後になりますが、読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。

一気に集中してやったり、休みながらちょくちょくやったり、何事にも人それぞれに適したやり方があると思うんです。まずは、自分のタイプというものをしっかり理解すること。これが、いちばん大切なことだと僕は思います。

ありがとうございました。
及川投手のこれからの活躍を期待しています!


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この記事を書いた人

勝部晃多(かつべ・こうた)

やる気ラボの娯楽記事担当。23歳。ハウストラブルコラムやIT関連のニュースライターを経、2019年8月より現職。趣味はプロ野球・競馬観戦や温泉旅行、読書等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているらしい。性格は柴犬のように頑固で、好きな物事に対する嗅覚と執念は異常とも評されている。

 
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