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親子で学びたい。我が子に伝えたい。そんな気持ちになれる、やる気が出てくる世界の言葉。歴史上の偉人や名著からピックアップ。その言葉はどうして出てきたのか、お伝えしていきます。
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子どもには、「将来の自分の姿をハッキリと想像する機会」って、思ったよりもないものです。
「そんな先のことは分からないし…」という思いもあって、ぼんやりとしてしまいがちなのかもしれませんよね。
そんなお子さんに打ってつけの、「将来をイメージしてやる気にさせる」名言です。
Think of yourself as on the threshold of unparalleled success.
A whole, clear, glorious life lies before you. Achieve! Achieve!
とてつもなく成功した自分を想像してみて!
明るく輝く人生があなたの前にありますよ! 成就する! 成就する!
アンドリュー・カーネギー
スコットランド生まれのアメリカの実業家、アンドリュー・カーネギーの言葉です。
アンドリュー・カーネギーはスコットランドのダンファームリンという、ニシン漁や織物業が盛んな小さな町に、1835年11月25日に誕生しました。
彼の父親は織物工として勤務し、母親は靴の修理などをして家計を助けました。生活は貧しくとも、信念を持った母と共に父を助け、家族で力を合わせて前向きに生活を送っていました。
1840年代後半に織物工の父親が失業、1848年、カーネギーが13歳の時に一家はアメリカのピッツバーグに移住しました。
移住後、カーネギーは苦しい家計を助けるために綿工場で働き始めました。朝から晩まで働いて得た初任給は週給1ドル20セント(現在の3千円ほど)でしたが、カーネギー少年は自分をとても誇らしく思っていたそうです。カーネギーは働いていたので学校には通えませんでしたが、時間があれば地元の名士の私設図書館に通い、読書をして学びました。
半年ほどで転職、親戚の友人の工場でボイラー関係の仕事に就くも13歳の少年にはやや荷が重く、電報配達の仕事に転職します。配達で町中を走っては、すべての大通りと商店を端から端までを完全に覚え仕事をこなし、有力者とも顔見知りになっていきました。
出世を望んだカーネギーは、当時はできる人がほとんどいなかったという「モールス信号を耳で聞き分ける術」を独学で習得。さらに電信装置の操作もチャンスがあればすぐさま見て、練習を重ねました。その結果、1851年、16歳で電信技手になりました。
電信会社に就職して間も無く、ニューヨークからピッツバーグまでペンシルバニア鉄道が開通することになり、その建設の総監督として着任したトーマス・スコット氏に大変可愛がられたカーネギー少年は1853年、同鉄道会社に転職。ここでもみるみる昇進し、最終的には幹部になりました。
スコット氏オススメの優良企業の株を購入したカーネギーは、新しい寝台車のアイデアに投資をしてみるなど、ビジネスについての学びも深めていき、有力な財界人とのつながりも築きました。
やがて転機が訪れます。このころ、橋の多くは木や鉄でできていたのですが――
「耐久性・対荷重性に優れた鋼鉄製の鉄橋を作ればよいのでは?」
そう考えたカーネギーは1865年、30歳で鉄道会社を退職。「キーストン鉄橋会社」を創業しました。鉄道会社時代のコネクションから、鉄橋を使った線路敷設を一手に請け負えたことで、地域一帯に鉄橋製造工場を多く建設。経営はすぐに軌道に乗りました。
さらに、鉄橋以外の建造物に関わる鉄鋼業に乗り出し、より高品質の鉄鋼を安価に生産できる方法を学び、「カーネギー製鉄会社」を設立し、大規模な鉄鋼工場を多く開設し……またたくまに、世界の鉄鋼市場の大きなシェアを占めるようになりました。鉄鋼業界全般にその名をとどろかせ、やがて「鉄鋼王」と称されるに至ったのです。
カーネギーは引退後、篤志家として数々の慈善活動を行ったことでも知られています。1919年8 月11日、84歳で肺炎により亡くなりました。その遺産の大半が自身の設立した基金や慈善団体などに寄付されたそうです。
「頭を使って、努力して、頑張って、その先には明るく輝く未来がある!」と成功した自分を想像し、ワクワクとした気持ちで毎日の仕事を頑張る。
「とてつもなく成功した自分を想像してみて!」という言葉は、そんなカーネギーの情熱からなるものと言えるでしょう。
まずは目いっぱい、成功した自分というものを想像させてみる。そこから、お子さんが将来何をしたいか、どうなりたいかという気持ちが見えてくるかもしれません。
参考文献
The Gospel of Wealth
富の福音
アンドリュー・カーネギー著
田中孝顕監訳
駒虎書房
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この記事を書いた人
天久 美海(あめく みう)
中学受験にて私立女子中高一貫校に入学、6年間を過ごす。
大学受験にて医療系学部に進学、在学中は勉学の傍、家庭教師として小学生から中学生までの多数を指導。
海外旅行を好み、卒後、数年働いて後にはカナダに半年留学。
医療系に長らく従事し、現在は、医療、教育、語学ジャンルの執筆を主としたワークスタイル。
個性が全く違う、それぞれ可愛い二人の小学生のママでもある。
悩みをさらっとでも打ち明けられる親以外の大人がいた事で救われた過去から、自身も誰かのそういう大人になることを心に誓い、細々ながら活動中でもある。