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2020.07.29
生活・趣味
2019.05.17
筋肉と数学とブラックホールと愛とやる気のお話です。
(文・川﨑健輔)
誰にでも「好きなこと」の一つや二つはあるのではないかと思います。
好きなことに熱中するのはたまらない充実感が得られるのではないでしょうか?
中にはもう「好き好き大好き超愛してる」というほどまでに好きなことへの愛を深めている人も少なくありません。
例えば、職場の先輩には数学をこよなく愛している塾講師の先生(いまは本部スタッフ)がいるのですが、歓迎会のような場で「自分の好きなことについて話そう!」みたいな場になったときに何かスイッチが入ったのか、数学とブラックホールの関係について延々と語り出して誰もついていけなくなるまで止まらなくなったことがあります。とてもたのしそうでした(白目)
かくいう私も、ものを書くのを仕事にしていますが、仕事関係なしに書くのは好きです。ライティングの仕事で悩んで煮詰まっているときに、気分を切りかえるために別のライティングをして心を落ちつかせる程度には好きです。
このほか、そのように自分の好きなことに心血を注いでいる人は少なくありません。アスリートやプログラマー、YouTuber、絵描きや音楽家のように仕事にまで昇華する人もいれば、趣味の一環で楽しむという人もいます。
こういった人から「これおもしれえよ! やってみようよ!」と薦められると、それまでまったく興味がなかったにも関わらず不思議とやってみたくなることがあるものです。「動機づけの社会的伝達」と言われているそうです。
※「動機づけの社会的伝達」のもっと分かりやすい記事はこちら:「やる気」はうつる?
ただ、自分の好きなことを誰かに「やってみようよ!」と薦めるのは、意外と難しいものではないでしょうか?
自分がなぜそれが好きなのか。なぜ薦めたいのか。薦められることで、相手に何のメリットがあるのか。そのあたりをきれいに整頓して、言語化して、伝えなければならない――と思うと、なかなか、しんどみを感じます。
そんなことを考え込んでいたら、一冊の本に突き当たりました。
ざっくりいうと、「筋トレをこよなく愛している人があの手この手の切り口で読者に筋トレを薦める」という――それだけの本です。
特徴的なのは、ダイエットやアンチエイジングといった筋トレに関わりのありそうな分野はもとより、自分が嫌い、仕事がうまくいかない、モテたい、気分が病み気味といった一見筋トレと関係がなさそうなあらゆる悩みを筋トレと結びつけて考えているということです。科学的な根拠づけまでして「筋トレでぜんぶ解決できるぞ!」と言い切っている様は、「いったい何があなたをそうまでさせるんですか?」と筆者に聞いてみたくなるほどでした。
――で。
そこまで言われると、ちょっとやってみようかなと思えてくるんですよね。
そんなわけで、実際に初めてしまいました。
筋トレ。勢いに押されて。4月の終わりごろから。ゴールデンウィークも子育てのあいまにやってみました。いまのところ続いています。
なお、最近後悔気味の模様。もうやめちゃおうかなと思ったところ妻から「痩せろよ?絶対痩せろよ?」という謎のプレッシャーを感じるようになり引っ込みがつかなくなった模様。続けざるを得ない環境さえ作っちゃえばやる気関係なしに続くよネ! やったゼ!(白目)
『超 筋トレが最強のソリューションである』を読んでいる最中に思ったのは、自分の「好きなこと」がなぜ好きなのか――それを考えるためにはなんでもつなげてみるのが良いんじゃないかということです。
上記の本、筆者はただ筋トレをしているわけではありません。筋トレを通して、人生、仕事、恋愛、メンタルなどあらゆる問題・課題・悩みにつなげて、筋トレがどれだけこの世界に役立つのかを常識や枠にとらわれずに考えているのです。つまり著者はただ筋肉を鍛えているのではなく筋肉を通じて世界に、宇宙につながっているのです。自分で言っててよく意味がわかりません。
私たちが「あれが好き」「これが大好き」「寝食を忘れたっていい」というとき、それを誰かに伝えたいというとき、“それがどんな悩みを解決できるのか”を考える――というのは、一つの指標になると思うのです。
勉強、仕事、生活、料理、恋愛、なんでもかまいません。いろいろな切り口、さまざまな視点で自分の「好きなこと」を見つめ直すのは、「好きなこと」への理解をさらに深めることにもつながるのではないでしょうか。
……いや、言うても僕、数学とブラックホールのつながりはよく分からなかったんですけどね? すいません先輩興味なくて。でも逆にすごく興味のある人もいると思うんです。先生のお話を聞いて、興味を持った子どものうちから未来の数学者が生まれるかもしれません。理屈より愛なんです。愛は相性なんです。相性のいい子が興味を持てば良いんです。今回、つまりはそういうお話です。